日産の「4人乗り超高級セダン」が凄かった! 豪華すぎる「リアシート」採用した「プレジデント」の内装とは

日産がかつて販売していた大型高級セダンに「プレジデント」があります。後席に乗る乗員を最優先した、豪華な内装とはどのようなものなのでしょうか。

「シーマ」のさらに上をいく「プレジデント」とは?

 政治家や企業のトップが移動するクルマとして、現在はトヨタの高級ミニバン「アルファード」などが用いられることが多いですが、ひと昔前は高級フラッグシップカーといえば大型セダンが主流でした。
 
 いま考えると、室内空間の広さに優れたミニバンベースのクルマのほうが、後席の快適性が高いことは明白ですが、当時はセダンの後席の快適性を上げるためにさまざまな装備やギミックが隠されていたのです。
 
 今回はそんなフラッグシップセダンのなかから、惜しまれつつも姿を消した、日産「プレジデント」について振り返ります。

超VIP仕様の「プレジデント」リアシート
超VIP仕様の「プレジデント」リアシート

 現時点で最終型となる4代目プレジデントは2003年10月に登場。7年後の2010年8月に終売となりました。

 ベースとなったのは、2001年に登場した4代目「シーマ」でしたが、プレジデントは4.5リッターV型8気筒エンジンのみのラインナップであったり、遮音材がよりふんだんに使用されて静粛性がアップさせているなど、日産の最上級セダンに相応しい変更がなされています。

 そんなプレジデントで特筆すべきは、やはりリアシート周りで、シーマには存在しない4人乗り(リア2名)仕様がラインナップされていました(5人乗り仕様も設定)。

 この4人乗り仕様では前方格納タイプ助手席の採用により、後席はゆったりとくつろげる広々とした足元スペースと視界の広さを確保。さらに助手席の後ろのリアシートのフロアカーペットは厚手の専用仕様を採用し、助手席のシートレールとの段差がないフラットなフロアを実現しています。

 もちろん「助手席リラックスシート」が採用され、後席の乗員が助手席に足を伸ばすことが可能。バイブレーター機能も標準装備したほか、後席シートはパワーシートとし、好みのサポート感が得られる「後席リラックスヘッドレスト(電動)」も備わっています。

 そして4人乗り仕様のリアには多機能大型センターコンソールが採用されていますが、このコンソールは車両センターよりも右寄りに配置することで、助手席後ろのリアシートのスペースを拡大するという細かい配慮もなされていました。

 また多機能大型センターコンソールには、空調やオーディオ、シートにサンシェードなどの操作ができる各種コントロールスイッチが配置されたほか、秘匿書類の保管にも便利な専用キー付リッドを採用したA4サイズの書類が入れられる大容量収納ボックス、一般家電製品の電源として使用できる100V電源などを設置していました。

 さらに後部座席での作業も可能なように、A4サイズのパソコンが置ける格納式テーブルや、天井格納式の8インチワイド液晶モニター(DVDプレーヤー、外部入力端子付)、後席用照明付バニティミラー、後席用パーソナルランプ、読書灯、格納式コートハンガー(左右)など、必要な装備をルーフまわりに格納し、セダンでありながら後席用に充実した装備を備えていたのです。

 これらの装備は4人乗り仕様に標準搭載されており、車両本体価格は900万円。800万円で購入できる5人乗り仕様よりも100万円高い価格設定となっていました。

※ ※ ※

 今から20年ほど前に登場した4代目プレジデントですが、後席用に装備されたアイテムの内容は、2023年6月21日にフルモデルチェンジして登場した新型アルファードの「エグゼクティブラウンジ」に備わる装備と近しいものがありました。

 さすがは当時の日産の最上級フラッグシップセダンといったところでしょう。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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