大雨災害で大活躍! 全長8m超えの「レッドサラマンダー」どんなクルマ? “愛知県岡崎市”に配備される意外な理由とは

愛知県岡崎市消防本部には、特殊車両「レッドサラマンダー」が配備されています。まるで戦車のようなクローラーを装備したこの車両は、一体どのようなクルマなのでしょうか。

「レッドサラマンダー」は一体どんなクルマ?

 愛知県岡崎市消防本部には、普段見かけることのない“珍しい車両”が存在するといいます。

 先日の台風2号に伴う大雨災害の際も活躍していましたが、一体どのような車両なのでしょうか。

ド迫力! 災害で大活躍する「サラマンダー」(Photo:愛知県岡崎市消防本部)
ド迫力! 災害で大活躍する「サラマンダー」(Photo:愛知県岡崎市消防本部)

 2023年6月上旬に起きた台風2号に伴う大雨により、全国各地で浸水や冠水被害をもたらしました。

 テレビなどでは、冠水した道路に多くのクルマが水没した様子が見られたほか、愛知県岡崎市でも水害により軽トラックの荷台に取り残された住民の姿もありました。

 そんな岡崎市の水害現場で活躍していたのが、特殊車両「レッドサラマンダー」です。一体どんなクルマなのでしょうか。

 これについて、愛知県岡崎市消防本部の担当者は以下のように説明します。

「レッドサラマンダーは、総務省消防庁から消防組織法第50条(国有財産等の無償使用)に基づき岡崎市へ専用搬送車両と共に配備されたものです。

 連結式のゴム製クローラ方式車両で、また、荒地、不整地、段差、溝、土砂上、瓦礫など一般車両では走行不能と思われる災害現場や、水溜り等の障害に対しても特別な装備品などを装着することなく走行が可能な、全地形対応型の災害現場活動対応車両です。

 具体的な任務として、主に、要救助者、救助隊員、救助資機材や物資等の搬送、また、土砂崩れなどにより一般車両では走行不能な救助現場へいち早く進行し、現場状況や安否の確認を行います」

 レッドサラマンダーは消防庁から配備された大型水陸両用車で、岡崎市のほか大阪にも配備されており、日本で2台のみの特殊車両です。

 全長は8.7mで最高速度は50km/h、水の中では水深1.2mまで走行可能だといいます。

 連結式のクローラーが装備され、沼地や水に浸かっている場所など、一般車両が入っていけないような場所にも進んでいくことができ、過去に発生した九州北部豪雨や西日本豪雨の際にも派遣され人命救助にあたっています。

 ちなみにレッドサラマンダーの名前の由来について、陸地や水の中でも進むことができる点がサンショウウオに例えられ、赤いサンショウウオを意味するレッドサラマンダーと名付けられているとのこと。

 ではなぜ特殊車両であるレッドサラマンダーは岡崎市に導入されているのでしょうか。導入のきっかけや愛知県に存在する理由について、前出の担当者は以下のように話します。

「岡崎市が概ね日本の中心であり、かつ、高速道路のインターチェンジが近いためです。

 また、南海トラフ地震が危惧されていますが、直接的な津波の被害を受けることなく、かつ、すぐに、沿岸部の地域へ出動することができる地域であるためです」

 日本で災害が発生した際、東・西どちらにも行きやすいように、日本の中心地である岡崎市に配置されているということでした。

 実は先日の岡崎市内での災害活動は初めてだったといい、多くのメディアやニュースなどでも取り上げられ、一般の方から声をかけられることがあるほど、さまざまな反響があったそうです。

※ ※ ※

 日本の中心である愛知県岡崎市に配備された、荒地でも進んでいけるレッドサラマンダー。今後、予期せぬ災害時に活躍する姿を目にすることがあるかもしれません。

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