スズキが新型「ジムニー5ドア」正式発売! ユーティリティが向上、さらなる魅力は? 価格は約215万7400円から、インドに導入へ

5ドアでも走行性は損なわれていない? どんな感じになっている?

 評価できる点は、5ドア化してもオフロード性能がほとんど損なわれていないことです。

 日本では「5ドアはオフロード性能を期待していない」と考えるジムニーファンもいますが、動画を見る限り、十分な走破性能を持っているようです。

 実際、重量増によってシエラよりもサスペンションの動きが改善されているように見えます。

 シエラではダート走行時にリアが跳ねてしまうことがありますが、ジムニー5ドアでは脚が路面を追従していることが分かります。

 さらに、オンロードでもロングホイールベース化による直進安定性の向上が明らかです。

 また、重心が高いと言われる現行型ジムニーですが、ロングボディになったことでバランスがよくなったように思われます。

 バネレートや減衰力のセッティングは変更されているかもしれませんが、おそらくハンドリングと乗り心地はシエラよりも良いでしょう。

 見た目のバランスでも、5ドア化による恩恵がありそうです。

 3ドアの場合、ノーマルサスペンションのままではローフォルムで、オフロード4WDとしては正直物足りない印象を受けます。しかし、5ドアは不思議とノーマルでも十分な印象を与えます。

 1インチくらいのリフトアップは良いかもしれませんが、2インチや3インチと上げすぎると見た目が悪くなってしまうかもしれません。

 その意味では、タイヤをラギッドなパターンに変えるだけでも、見た目上のオフロード4WDとしての魅力が引き立つかもしれません。

使い勝手も増した!? 全長が長くなったスズキ新型「ジムニー5ドア」
使い勝手も増した!? 全長が長くなったスズキ新型「ジムニー5ドア」

 既に、現地のメディア向けの試乗会も開催され、その模様がインターネットに次々とアップされています。

 これらの映像から、ジムニー5ドアには予想以上の魅力があることが分かりました。

 5ドアボディ以外の基本メカニズムは、ジムニーシエラと同様ですが、エンジンスペックはわずかに向上しており、最高出力は77.1kW、最大トルクは134.2Nmです。

 ただし、インドモデルには日本仕様の標準装備であるデュアルセンサーブレーキサポートなどは採用されていません。

※ ※ ※

 価格については、インド国内での車両価格は最も安い「ゼータ・5MT」が127万4000ルーピー(約215万7400円)から、最上級グレードの「アルファ・4AT・ツートーンカラー」が150万5000ルーピー(約254万8753円)となっています。

 もし日本でも同じ価格で発売されるのであれば納得感がありますが、安全装備などが追加されることを考えると、最上級グレードは300万円近くになる可能性もあります。

 ただし、その価格でもジムニー5ドアは魅力的な車両であることは間違いありません。

 ショールームに展示されているだけでなく、実際に走っている姿はさらに魅力的です。シエラよりもさらに使い勝手や魅力が高まったクルマに仕上がっていると感じました。

 ただし、もし日本で発売後にまた1年待ちになることがあるのであれば、我慢できるかどうかは個人の判断次第でしょう。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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