スバルの「爆速ミニバン」!? 巨大サンルーフ&ボンネットに“穴”装備! 3列シートの「エクシーガGT」がスゴイ

2023年現在、スバルの国内向けモデルに3列シート車はありません。しかしかつては、2リッター水平対向ターボにAWDを組み合わせた個性的なミニバン「エクシーガGT」がラインナップされ、スバルファンから根強い支持を集めていました。

2リッター「EJ20」水平対向ターボ搭載の個性派「爆速」ミニバンとは

 SUVやワゴン車のイメージが強いスバルですが、かつては3列シートのミニバンもラインナップされていました。
 
 なかでも同社のスポーツセダン「インプレッサWRX」譲りの2リッター水平対向インタークーラーターボエンジンと4WDを組み合わせた最速仕様「エクシーガGT」は、スバルらしさ全開の個性的なモデルでした。

ボンネットには「インタークーラーターボ」の証し! 「パノラミックガラスルーフ」の解放感も味わえるスバル「エクシーガGT」
ボンネットには「インタークーラーターボ」の証し! 「パノラミックガラスルーフ」の解放感も味わえるスバル「エクシーガGT」

 スバルは1995年10月開催の第31回 東京モーターショーにコンセプトカー「α-EXIGA(アルファ エクシーガ)」を出展しました。

 水平対向6気筒エンジンを搭載した3列シートレイアウトのモデルで、のちの「アイサイト」につながる先進運転支援機能なども装備するなど、近未来のワゴン車像を示す意欲作でした。

 続く1997年10月開催の第32回 東京モーターショーにも、続編となる3列シートのコンセプトカー「EXIGA(エクシーガ)」を出展しましたが、市販化されることはありませんでした。

 代わりに2001年、GMからのOEMというかたちで3列シートミニバン「トラヴィック」が発売され、2005年まで販売されています。

 スバルの国内向けモデルとしては、軽ワンボックスワゴン「サンバー」をベースに小型車用のエンジンを搭載した、全長3.5m級の超小型車「ドミンゴ」に次ぐ、貴重な3列シートミニバンでした。

 そして2007年10月の第40回 東京モーターショーに、3列シートのコンセプトカー「エクシーガコンセプト」が現れます。

 このコンセプトカーの基本スタイルをほぼそのまま踏襲し市販化したのが、2008年6月登場のエクシーガです。

 同社がこれまで「レガシィツーリングワゴン」などで培ってきたワゴン車造りのノウハウや、水平対向エンジンと4WDによる独自技術「シンメトリカルAWD」をベースに、7人乗りレイアウトを組み合わせました。

 ボディサイズは全長4740mm×全幅1775mm×全高1660mmで、扱いやすい大きさに収められています。

 室内は、3列シートすべての乗員が快適さを実感できることを目指し、空間の確保に加え、視界や乗降性、荷室といった機能性にもこだわりました。

 そのため、1列目から3列目にかけて着座位置を徐々に高めていく見晴らしの良い配置「シアターシートレイアウト」を採用したほか、各ピラー(柱)の角度など、細部に至るまでパッケージングの配慮がなされています。

 さらに、1列目席から2列目席の頭上までつながる「パノラミックガラスルーフ」も用意し、開放感をさらに演出しました。

 パワートレインは、2リッター水平対向4気筒「EJ20型」DOHCエンジンに加え、同インタークーラー付きターボエンジンをラインナップ。

 後者は、世界ラリー選手権(WRC)参戦マシンのベース車として人気を集めた「インプレッサWRX」にも搭載された高性能エンジンで、最上級版の「エクシーガGT」専用でした。

 エクシーガに向け、低速域から効くターボチャージャーを採用するなどの専用チューニングを施した、最高出力225psの仕様となっています。

 ダウンシフトブリッピングコントロールを採用したスポーツシフト付5速ATや、エンジン特性を3段階に切替えられる「SIドライブ」、そしてVTD(不等&可変トルク配分電子制御)AWDと組み合わされ、他のEJ20ターボ車同様のスポーティな走りを実現していました。

※ ※ ※

 ドミンゴやトラヴィックが生産を終え、国内でのスバル車唯一の3列シート車として活躍したエクシーガですが、ターボエンジン搭載モデルは2015年に販売を終了。

 SUVテイストを加えた大幅改良でイメージを刷新した後継モデルの「エクシーガ クロスオーバー7」も、2018年に販売終了し、国内のスバル車では2023年6月現在、3列シート車は存在していません。

スバル・エクシーガ のカタログ情報を見る

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