レクサス新型「LBX」世界初公開! 「ヤリスクロス」と全く異なる「小さな高級車」なぜ誕生? 担当者が解説!
レクサス新型「LBX」 エクステリア(外装)&インテリア(内装)のこだわりは?
―― そして出来上がったスタイルは、ボディサイズは小さいながらもとてもエモーショナルで存在感があります。フロントマスクは上海ショーで世界初公開されたLMのイメージに近いデザインに感じました。
遠藤:「ユニファイドスピンドル」と呼んでいますが、低く構えたフード造形とボディとグリルの境界を融合させたシームレスグリルにより、低重心で存在感のある顔つきです。
――ボディサイズは全長4190×全幅1825×全高1560mmとコンパクトですが、欲を言えば全高は1550mmなら日本のタワーパーキング対応になりますが……。
遠藤:全高1560mmは欧州仕様で、日本仕様はシャークフィンアンテナレスで全高1550mmになっています。ご安心ください。
―― それは嬉しいです。サイドビューは前後オーバーハングが短い上に、4隅にドーンを配置されたタイヤも相まってより凝縮感があるのに堂々としたフォルムです。
遠藤:LBXで最初に取り組んだのはタイヤの大径化でヤリスクロスより2サイズアップしています。
これはタイヤがグッと張り出したタイヤコンシャスな意匠を実現させるためです。
ただ、現状のGA-Bプラットフォームのままでは成り立ちませんので、フロントタイヤを22mm前に出しています。
――Fスポーツの設定がない理由は?
遠藤:Fスポーツは「レスポンス」にこだわったスポーティなグレードですが、LBXの走りに関しては全てFスポーツだと思って開発をしました。
そのため、現状では単なる意匠違いになってしまうので設定していません。
―― インテリアはNX以降のTAZUNAコクピットですが、意匠やイメージは少々違います。
遠藤:ステアリングからメーター、HUDに繋がるコンセプトは踏襲していますが、それ以外は袂を分けました。
その理由は「見晴らしの良さ」のためで、横基調のスッキリしたインパネ上面を大事にしながらモニターがコンソールに溶け込むようにデザインしています。
―― 質感はどうでしょうか? 小さなモデルは値段とのバランスも考える必要があります。
遠藤:その部分に掛けたお金は、自分が手掛けたモデルの中では断トツで高いです。
ステッチや素材の使い方などシンプルなデザインはごまかしが利きません。
また、NV対策も源流をシッカリ対策することで、後で吸音材/遮音材にお金を掛けずに……と徹底することで、お客様に喜んでいただける価格に設定できたと思っています。
ドアの閉まり音も是非聞いて欲しいです。
―― ドライビングポジションは?
遠藤:「クルマとの一体感」を得るためにはヒップポイントを15mm下げています。
ただ、下げるだけだとステアリングとの位置関係が遠くなるので、手間に引ける&立てる方向に変更しています。
ダッシュパネル自体は変えていないのでペダルの位置はヤリスクロスと同じですが、ヒップポイント変更に合わせてアクセル/ブレーキ共に角度を調整しています。
―― つまり形式上はGA-Bですが、中身はほぼLBX専用になっているわけですね。
遠藤:その通りで、もはや「欠片もない」と言っていいくらい変更しています。
―― ホイールベースはヤリスクロスより20mm長いですが、後席の居住性は?
遠藤:フロントタイヤを前に出したので前後のカップルディスタンスは変わっていません。ヒップポイントを下げた分狭いかも。
でもフロントシート優先のクルマですので、デメリットにはならないと思っています。
―― ラゲッジスペースはどれくらい?
遠藤:日本市場で言えば「ゴルフバック」が積めるように頑張りました。ただ、長尺ドライバーだと厳しいかなと。
―― LBXは5つの世界観に加えて、33万通りの組み合わせが可能なオーダーメイドシステム「Bespoke Build」が用意されています。これも大きなチャレンジだと思います。
遠藤:これは豊田会長からのアドバイス「最後の最後にLBXを仕上げるのは、お客様」を具体化した物になります。
まだ色々課題や頭が痛い所もありますが、発売時には是非とも悩んで選んでほしいですね。
リアサスがトーションビームなのを批判する輩は「クルマ音痴」であることの証明になりますね。
そもそもトヨタ程足回りを研究しているメーカーは国内外とも無い。ファミリー向けミニバンでさえその乗り心地はかつての何かよく分からん欧州メーカーのハイドロなんちゃらを超える快適さである。