「路面電車」と並走コワい! 見慣れぬ「黄色矢印」「赤×」信号が存在!? クルマが守るべきルールとは?
「路面電車」はその名の通り、道路を走る電車で、クルマと並走することから接触事故が発生することもあります。クルマのドライバーはどのようなことに注意して走行する必要があるのでしょうか。
慣れないドライバーは戸惑う!「路面電車」との並走
日本各地には「路面電車」が街中を走る都市があり、市民や観光客の移動手段となるほか、その街のシンボル的な存在になっています。
しかし、クルマは路面電車と並走することから慣れないドライバーは戸惑うこともあり、実際にクルマと路面電車の接触事故が後を絶ちません。
クルマは路面電車の走行を妨げないように注意して運転しなければならないのですが、どのようなことに注意して運転すれば良いのでしょうか。
路面電車の線路のことを「軌道敷」といい、多くの場合はクルマが走行する車線と並んで敷かれています。
軌道敷と車線のあいだは柵など仕切るものはないのですが、軌道敷は路面電車専用となっており、クルマは軌道敷の中を走行することができないということが道路交通法第21条で定められています。
ただし、右左折や横断、転回のために横切る場合や、危険回避などやむを得ない場合にはクルマが軌道敷を走行することが可能です。
右左折などで軌道敷を走行する場合も必要以上に軌道敷の中に留まらないよう注意し、路面電車の走行を妨害しないように目視で確認することが大切です。
一方で、路面電車の軌道敷のある交差点であっても、右折レーンなどで右折待ちのガイドとなる右折待機線が表示されている場合は、軌道敷に乗り上げて右折待ちをすることができます。
また、路面電車はクルマと同様に信号に従って走行していますが、交差点によっては路面電車専用の信号が設けられています。
路面電車専用の信号機には黄色の矢印や赤い×印が表示されており、黄色の矢印が表示されている時は、路面電車がその矢印の方向に進行することができます。
赤い×印は黄色い矢印よりも設置数が少なく、地域によっては見たことがないという人もいるかもしれませんが、この赤い×印が表示されているあいだは路面電車は停止することを意味しています。
この路面電車専用の信号とクルマの信号は必ずしも同じタイミングで動くわけではなく、クルマの信号機と近い位置に設置されていることもあるため、特に矢印で表示されるクルマ用の右折信号と見間違わないように注意が必要です。
このように、路面電車の走行する道路では、ほかの道路とは異なる危険があり、通常以上に注意しなければならないポイントがあります。
JAF(日本自動車連盟)は2023年4月20日に、路面電車とクルマとの事故防止を目指して、危険予知トレーニング動画の路面電車編を公開し、危険な場面について紹介しています。
たとえば、路面電車の軌道敷のある道路で右折する際には、対向車だけではなく後方から路面電車が来ていないか目視で確認し、先行するクルマが右折先で歩行者の横断待ちのため停車していないかなど、路面電車の走行を妨害することがないよう確認しなければなりません。
JAFによれば、路面電車はクルマと比較して急ブレーキをかけてから停止するまでの距離が長く、時速40kmで走行している時にはクルマが22mで停止できるのに対して、路面電車は倍以上の56mが必要だといいます。
右折待機中に後ろから走行してくる路面電車がいる場合には、バックミラーだけではなく自分の目で安全を確認してから軌道敷に進入するか、路面電車が完全に通り過ぎるのを待つようにしましょう。
また、路面電車にも内輪差や外輪差があるため、電車と一緒に右左折やカーブを曲がる際に、あまり近づきすぎると接触してしまう可能性もあります。
ほかにも、歩行者が路面電車に乗り降りする停留所は、電車と異なり改札などで区切られておらず、道路の中央に設置されていることから、停留所付近では路面電車の動きだけではなく歩行者の飛び出しにも注意が必要です。
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路面電車が走行する道路では、クルマは路面電車の走行を妨害しないように注意しなければなりませんが、右左折や横断する場合には軌道敷の中を走行することが可能です。
また、路面電車は急ブレーキで止まるためにクルマの倍以上の距離が必要となるため、ミラーだけでなく直接目視するなど、クルマのドライバーは路面電車の動きをよく確認して運転することが求められています。
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