関東ではほぼ聞かない「モータープール」 なぜ関西では今でも使われる? どんな意味があるのか
月極駐車場や時間貸し駐車場を表す言葉について、大阪を中心とした関西地方では「モータープール」とよぶことがあります。なぜ関西地方だけは「モータープール」という言葉が使われているのでしょうか。
なぜ東京には「モータープール」がほぼないの?
「モータープール」は大阪を中心として関西地方に多くみられますが、関東ではほとんど見かけません。
それでは関西の言葉でモータープールとは、何を意味しているのでしょうか。
大阪を中心とする関西地方では、「モータープール」の看板をよく見かけますが、東京ではあまり見かけず、耳馴染みのない言葉です。
実際に大阪を中心とする地域では、梅田駅周辺だけを確認しても20個を超える月極駐車場のモータープールが存在します。
また、モータープールという名称の駐車場はそのほとんどが大阪府内にあり、それ以外では奈良県や和歌山県の都市部などで見られます。
逆に東京都を中心とする関東地域でモータープールと呼ばれる言葉を聞くことも名称付けされた場所もありません。
そもそも、モータープールとは、月極駐車場や時間貸しの臨時駐車場のことを意味します。
モータープールと呼ばれる言葉の意味は、クルマに関連する言葉の違いが影響しています。
一般的に大阪では、クルマを表す「モーター」とあるものが溜まっている状態を「プール」と呼び、両者を組み合わせたものがモータープールと呼ばれる理由です。
そのため、関西地域では、「クルマが溜まる場所イコール月極駐車場」という意味として使われています。
しかし、元々モータープールとは、大阪や関西地方が発祥の言葉ではありません。
英語の「motor pool」は、軍隊や公共機関、企業などが所有する複数の車両を管理・保管する施設のことを指します。
日本では、戦後の7年間、連合国軍による占領統治下となっており、東京の日比谷に連合国軍総司令部が設置されていました。
当時、日比谷周辺に「軍用車を溜めておくスペース」として多くのモータープールがみられたといわれています。
連合国軍とは実質的に米軍のことであり、モータープールは、当時米軍の使用していた言葉がそのまま日本でも使用されていたという背景があります。
また、大阪にも連合軍の各種機関が存在し、その周辺にモータープールが設置されていました。
しかし、東京ではモータープールをはじめとした米軍の関係施設が、一等地エリアにあったため、急速な都市開発によってその言葉とともに廃れていったと考えられます。
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