クルマの「サンルーフ後付け」は可能? かつての「憧れ代名詞!」 いまは難しいワケ

サンルーフは車内の開放感を高め、快適なドライブをするための装備のひとつです。サンルーフの取り付けは、購入時に選択する必要のあるメーカーオプションとなっていますが、後から取り付けることはできるのでしょうか。

現在はサンルーフの後付けが難しい?

 かつては高級車の代名詞的な装備と言われた「サンルーフ」。現在でも「パノラマルーフ」という名称なので、上級グレードに設定されている他、オプションで選ぶ事が可能です。
 
 しかし、新車購入時に選択しなければいけないメーカーオプションとなっています。では、後からサンルーフを取り付けたい場合にはどうすればいいのでしょうか。

サンルーフが付いていないクルマに後付けは出来るの?(撮影:編集部)
サンルーフが付いていないクルマに後付けは出来るの?(撮影:編集部)

 サンルーフは光が入って車内が明るくなったり、車内の換気ができたりなどのメリットがあり、ユーザーからは高い人気を得ています。
 
 しかし、サンルーフのオプションは基本的に10万円を超え、決して安価ではない装備でもあります。

 また、サンルーフは新車の注文時のメーカーオプション装備となり、納車時や購入後に装備できるディーラーオプションとは違い、工場での製造時に組み込まれる装備です。

 そのため、クルマを注文した際はサンルーフをオプションとして加えなかったが、実際にクルマが手元に届いてからサンルーフを後付けしたくなったと後悔をする人もいるかもしれません。

 サンルーフは指定部品となっているため、後付けしたからといって車検に通らないということはありません。

 また、1997年の規制緩和によって装着後の構造変更届を提出する必要はなくなりました。

 サンルーフの後付けをすること自体に問題はありませんが、施工作業は自分で行っても良いものなのでしょうか。

 実際にサンルーフの後付けを行いJAM-ebinaの担当者は次のように話します。

「YouTubeなどを見ていると簡単に施工できるといった情報が目に入りますが、自分では施工しないことが賢明です。

 ルーフの後付け作業には、まずルーフをカットしてその後に内装材をカットします。

 そこからルーフを設置し、電気系統を繋いでいきます。これらの作業は専門性が高く作業の難易度も高いです」

 では、自分で簡単に施工した場合、どのような問題が発生するのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。

「簡単に後付けをしてしまうと、あとあとになって様々な問題が発生します。

 たとえば、電気系統の配線が整っておらずルーフの開閉がうまくいかなかったり、カット面の合成がきちんとできておらずサビが発生し、そこから雨漏りの原因になることもあります」

 また、どの車種にも一概にサンルーフの後付けができるわけではなく、前出の担当者は「ルーフがクロスラインになっているものは傷つけてしまう可能性があるので、施工ができません」と話します。

 前述したように、サンルーフの施工には専門的な技術を要しますが、専門の業者に依頼した方が良いのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。

「実は、サンルーフアフターパーツの製造を行っている代表的な企業のひとつが、2020年に生産を終了しています。

 そのため、現在サンルーフのパーツは在庫に限りがあり、注文を受けてもパーツがないため施工ができない可能性があります。

 すでにサンルーフを取り付けていて、その修理作業ということであれば承れますが、新しく後付けするというのは難しいでしょう」

※ ※ ※

 このように、メーカーオプションであるサンルーフの後付けですが、自分で施工する場合には様々なリスクが発生します。

 そもそも、アフターパーツも現在ではほとんど出回っておらず、「修理」はできても「後付け」のハードルは高いと言えそうです。

 そのため、新車の注文時にサンルーフが必要になるのかを吟味することが重要です。

 メーカーオプションとして最初に注文をしておくか、すでにサンルーフが装備済みの車体を選ぶことが得策です。

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