またハンマーで壊される? アメリカでの日本車販売、怖いのは関税より「バッシング」

反日的世相が形成される前に

 それよりも問題は、「日本車憎し」という雰囲気ではないでしょうか。トランプ大統領が、「日本車は公平じゃない」と叫べば、一定数の人が「そうだ、そうだ!」となるはずです。

 アメリカにはトランプ大統領を強く支持する人がたくさんいます。その結果、1980年代のような「ジャパンバッシング」もしくは「日本車バッシング」という世相が生まれてしまう、これが一番まずいのではないでしょうか。もちろん、日本車は売れなくなるでしょう。中国で反日が荒れ狂った数年前と同じ状況が、アメリカで生まれるのだけは避けたいところです。

 そのためには、「日本はアンフェアじゃない」という主張をしっかりして、小さな火種のうちに消してしまうのが肝要かと思います。「アメリカで販売される日本車の多くはアメリカの労働者が造っている」「日本車がアメリカで売れるのは、特殊なアメリカ市場のニーズに合わせたクルマを造っているからであり、日本でアメリカ車が売れないのは日本のニーズに合わせてないから」と主張すべきでしょう。

 ちなみに、アメリカ市場向けに開発された日本車は、そのまま日本に持ってきても売れることはほとんどありません。それだけアメリカと日本では求められるクルマが違っているのです。

「正しければ黙っていても伝わる」ことは、アメリカのトランプ大統領を相手には期待しないほうが良いはず。上手に主張して、問題が燃え上がらないことを祈るばかりです。

【了】
提供:乗りものニュース

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