もはや懐かしい! “高級車”の象徴「フードマスコット」なぜなくなった!? ちゃんとした”機能部品”だったってホント?
フードマスコットはなぜ姿を消してしまった?
国産車では限られた車種しかフードマスコットを装着しませんでした。
高級車の代表格である「クラウン」は、1955年発売の初代モデルがDXグレードに装着した後、次の1962年2代目では廃止され、以後トヨタの他車を含めて装着されていません。
一方、日産車は1960年登場の初代「セドリック」がメッキモールを装着したものの、フードマスコットと呼ぶにはシンプルな形状です。ただし、次のモデルではモールは廃止されています。
また、日産と合併後ではあるもののプリンス色が強かった1967年発売の「グロリア」は、フードマスコットを装着していました。
以後しばらくの間フードマスコットは装着されませんでしたが、1979年登場の430型セドリック/グロリアでフードマスコットが装着されました。
ただしブロアムなどのフォーマル系上級モデルが中心で、SGLやグランツーリスモなどのスポーティ系グレードには装着されていません。
このフードマスコットは好評だったからか、1984年発売型の「ローレル」も装着され、セドリック/グロリア/ローレルとも、モデル廃止まで装着されていました。
他のメーカーでも、採用された時期はおおむね同様です。
マツダは1981年にフルモデルチェンジされた「ルーチェ」に装着しましたが、次のモデルでは廃止されてしまい、以後装着車はありません。
三菱はやや異例で、他車よりも早い時期の1976年発売の「ギャラン ラムダ」に採用し、1986年には「ギャラン/エテルナ」の一部グレードと「デボネア」に装着しています。
ただし、ギャラン系は1987年からキャラクターをスポーティなものに変更したため装着しなくなり、デボネアと後継の「プラウディア」と「ディグニティ」のみになりました。
国産車では2000年前後までにほとんどその姿を消してしまったフードマスコット。なぜその姿を消してしまったのでしょうか。
フードマスコットは、エンジンフードの先端にあります。もしクルマが歩行者と接触するなど事故になってしまった際、フードマスコットは歩行者に対して著しい影響を与えてしまいます。
世界的に安全性に対する議論が高まった2001年6月、自動車の国際基準調和の一環として保安基準が改正され、「外装の技術基準」が導入されました。
いわゆる外部突起に関する規制です。この法令は猶予期間があり、新車には2009年1月から適用されました。
もちろん、フードマスコットもこの規制の対象です。規制をクリアするためには、既定の強さの衝撃が加わるとフードマスコットが倒れるなどして、歩行者を傷つけないようにする必要がありました。
一部の高級車では、規制の前からこのような構造に変更したクルマもありました。しかし、対策をしてまでフードマスコットを装着し続ける車種は少なくなり、減少していきました。
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ほとんどフードマスコットの採用がなくなってしまった一方、英国の超高級車ブランド「ロールスロイス」と「ベントレー」は電子制御格納式のフードマスコットへと進化し、引き続き採用しています。
限られた存在とはなってしまいましたが、今もフードマスコットを採用し続けるクルマもあるのです。
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