前のクルマから「謎の赤い布」が垂れている! 意外と知らない…はみ出し荷物に付けられた布の意味とは
街の交通を見ていると、トラックに積まれた荷物に赤い旗が取り付けられていることがあります。では、この赤旗にはどのような意味があるのでしょうか。
荷物に付いている赤旗…なぜ付ける?
クルマを運転していると、トラックの荷台に積み込まれた鉄パイプや木材などの資材に赤い旗が付いているのを見かけることがあります。
ときどき目撃されるこの赤旗ですが、一体何のために付いているのでしょうか。
実はこの赤旗は、クルマに制限を超える荷物を積む場合に取り付けなければいけないものです。
クルマに乗せることのできる積載物の大きさについては、2023年4月現在、長さが車体の1.2倍まで、横幅が車体の幅の1.2倍まで、高さに関しては地面から3.8m(軽自動車および三輪の普通自動車の場合は2.5m)までという制限があります。
さらに積載方法に関しても、積載物がはみ出して良いのは前後ともに車体の長さの0.1倍まで、また左右も車体の幅の0.1倍までと決まっています。
もしトラックなどで大きな荷物を運搬する際に、前述の大きさや方法で収まりきらない場合には、出発地を管轄する警察署などで「制限外積載許可」という手続きをおこなう必要があります。
制限を超える荷物は運搬できないというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、きちんと警察に対して運搬する物品や運転経路、どれくらい制限を超えるのかなどを書類で申請し、その結果荷物が転落・飛散するおそれがない、ドライバーの視野やハンドル操作をさまたげないなど運行に支障がないと判断されれば、制限外積載が許可されます。
ただし、積載物の長さが車体の長さの1.5倍を超えるケースや車体の幅に1mを加えた数値を超えるケース、前または後ろへの積載物のはみ出しが車体の長さの10分の3を超えるケースなどでは原則制限外積載が許可されないため、管轄の警察署に確認する必要があるでしょう。
もし運行が許可されれば警察から「制限外許可証」が交付されますが、許可の条件としてクルマの前面の見やすい箇所に許可証を提示するほか、昼間は貨物の見やすいところに0.3平方メートル以上の大きさの赤色の布を付けることなどが道路交通法施行令第24条で決まっています。
この赤色の布がいわゆる「赤旗」と呼ばれるものです。
加えて、夜間走るときは周囲のクルマから認識してもらえるよう赤色の布ではなく、赤色の灯火または反射器を付けることも決められています。
つまり、赤旗は周囲のクルマに対して大きな荷物を積んでいることを知らせて注意をうながす役割があるといえるでしょう。
そのほか、ドライバーは積み荷が落下しないように荷物をロープやシートなどを使って固定したり、ウィンカーやナンバープレート、ブレーキランプなどが見えなくなるような積み方をしないように気をつけなければいけません。
積み荷が落下して後続車両が損害を受けるような事故が発生すれば「落とし主の責任」になってしまいます。
また、荷物の大きさが制限を超えた状態で警察の許可を得ずにクルマを運転していた場合は「積載物大きさ制限超過違反」として違反点数1点、普通車で反則金7000円が科されるほか、積載方法が制限を超えていた場合には「積載方法制限超過違反」として同じ違反点数と反則金が科される可能性があります。
業者でなければ大きな荷物を運ぶことはあまりないかもしれませんが、引っ越しで大きい荷物を運ぶ機会などがあれば、事前に大きさや方法が制限を超えないかどうか、よく確認することが大切です。
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トラックなどの積荷に付いている赤い旗は、制限を超える大きい荷物を運んでいることを周囲に知らせる役割を担っています。
運送業者などでは積荷が落下しないように注意を払っていますが、木材や鉄パイプの落下など万が一の事故に備えて、後続車両は車間距離をあけておくことも自衛手段のひとつといえるでしょう。
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