高い悪路走破性を実現させた本格四輪駆動車のスズキ「ジムニー／ジムニーシエラ」は、狭い林道でもスイスイ進める世界最小クラスのボディサイズも大きな魅力のひとつです。
　
　そんなジムニーですが、車内で「車中泊」が十分に可能で、メーカーもこうした需要に応える純正アクセサリーを用意しています。

　2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジで登場した現行型（4代目）のジムニー／ジムニーシエラは、発売以来4年以上に渡り、納車待ちを伴う人気を維持し続けています。

　四角く機能的なデザインの車体部分は共通で、ジムニーは660ccのターボエンジンの軽自動車、ジムニーシエラは新開発の1.5リッター自然吸気エンジンとワイドフェンダーを備えた小型車という違いはあるものの、共に本格的な走破性を備えた四輪駆動車です。

　ラダーフレームやFRレイアウト、機械式の副変速機付きパートタイム4WD、3リンクリジットアクスル式サスペンションなど、いまでは世界でも非常に珍しくなった本格仕様に加え、4代目では電子制御のブレーキLSDトラクションコントロールも追加されています。

　アウトドアブームの盛り上がりもあり、キャンプなどを楽しむユーザーからも絶大な支持を集めています。

　そんななか、スズキのジムニー純正アクセサリーカタログでは、バックドアを開けた車内で、助手席側に寝袋を展開した写真が確認できます。

　そのミニマムなスタイルは、まるで「走るテント」のよう。

　小さいクルマでも車中泊が可能だということを、メーカー自ら証明する格好となっています。

　シートアレンジは簡単で、助手席ヘッドレストを外したうえでシートを後ろに倒して、後席は前倒しにすることで、ほぼフラットな空間が生まれます。

　コンパクトな外観からは想像しづらいところですが、荷室の前後長はおよそ180cm程度確保されるため、体格の良い大人でも寝ることができるのです。

　そしてカタログでは、スズキ純正のアクセサリー「リラックスクッション」を紹介しています。

　展開した時のサイズは、長さ210cm、幅54cm、厚さ2cm。2セット揃えれば、運転席と助手席で大人2名が車中泊することも可能です。

　素材はウレタン製のクッション材なので、シートの凹凸に対しても柔軟に対応できます。使用しないときには丸めて収納可能です。

　車中泊ユーザー向けのアイテムは、他にも用意されています。

　車外の光や視線を遮る「プライバシーシェード（メッシュ付き）」は遮光生地仕様。換気も可能な構造で、車中泊には必須アイテムです。

　フロントウィンドウ、フロントドア左右、リアクオーターウィンドウ左右、バックドアの6点セットとなっています。

　さらに、ルーフに吸盤で取り付ける日除けの「カータープ」も用意されています。野営地で居住スペースを速やかに拡張することができる、魅力的なアイテムです。

　老舗テントメーカー「OGAWA」とのダブルネームというのもマニア心をくすぐるポイントといえます。

※　※　※

　首都圏のとあるスズキ販売店では、ジムニーの納期について次のように話します。

「デビュー当初から一貫して、納期に1年前後はかかっている状況です。

　キャンセルなどが出る場合もありますので、購入を希望する方は早々に商談することをオススメします」

　純正アクセサリーカタログの多彩なアイテムを眺めながら、じっくりと納車を待つのが良いかもしれません。