「エンジンブレーキはうざい!」と思う人、意外といる? なぜ「エンブレ」を使うのか? 「危ない」ではなく車間距離が大切なワケ
エンブレが悪? そもそも「十分な車間」を開けていれば良いのでは?
一部ユーザーから「うざい」と思われるエンジンブレーキ。
たしかに、急に車間が近くなると「うざい」と思っても仕方のないことかもしれませんが、SNSなどではエンジンブレーキ以前の問題だと指摘する意見が多いようです。

「そもそも車間距離空けていればいいんじゃないの?」「エンブレ程度の減速力で車間詰まるならもっと(車間距離を)空けろよ」「ブレーキランプがつかないからうざいの? 車間詰めすぎなのでは」など、減速した前走車にすぐに追いついてしまう車間距離自体が問題だとするコメントが多く見られます。
さらに、「目の前しか見ずに予測運転しないのが悪い」「ブレーキランプで減速しているかどうか判断するほうが危険」など、ブレーキランプだけを頼りに前走車の減速を判断することが危険だとする声も。
たしかに、車間距離を十分に確保していれば前走車のエンジンブレーキ使用の有無にかかわらず、「うざい」と思うほど近づくことはないと考えられます。
栃木県那須烏山市の自動車教習所である烏山自動車学校の公式ツイッター(@KarasuyamaDS)は過去に以下のような投稿を行っています。
「車間距離を取ることで
・追突事故の防止
・不要な加減速の防止
・状況が把握しやすくなる
・同乗者が安心することができる
・到着時間が大幅に遅れることはない」
十分な車間距離を確保することによって、不要な加減速が減ることや前走車など進行方向の状況を判断しやすくなると言い、この投稿以外にもしばしば車間距離の重要性についてコメントしています。
また、エンジンブレーキは有効に働くケースがあります。
長い下り坂や山道など連続する下り坂を走行する場合、フットブレーキを多用すると摩擦が発生しつづけ、ブレーキ自体が熱を持ってしまい効きが悪くなる「フェード現象」や、ブレーキの熱がブレーキフルードへと伝わり、沸騰して気泡が発生する「ヴェーパーロック現象」が発生し、制動力が低下します。
このような事態を避けるためにエンジンブレーキは有効です。
実際に峠道や山道など、下り坂が連続する区間や、高速道路の長い下り坂では「エンジンブレーキ使用」「低速ギアにチェンジ」「エンジンブレーキ併用せよ」などの警戒標識が設置され、フットブレーキではなくエンジンブレーキを推奨していることもあります。
※ ※ ※
エンジンブレーキの使用に悪いケースはなく、下り坂などむしろ積極的に活用したほうが良い場合もあります。
ブレーキランプが点灯しないエンジンブレーキですが、前走車がエンジンブレーキで減速しても、しっかりと車間距離を取り、前方を良く確認していれば「うざい」と思うこともなくなり、不要な加減速も減ります。
クルマを運転する際は十分な車間を空けて走行するほうがよいでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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