日本が誇る「走る銭湯」が凄かった! 自衛隊所有の「野外入浴セット」とは何なのか? さらに「走るランドリー」も存在!

自衛隊には「走る銭湯」以外に「走るランドリー」も存在する!?

 入浴セットほど目立ちませんが、被災地でまた感謝されているのが洗濯サービスです。

 自衛隊には野外活動用に「走るランドリー」こと「野外洗濯セット」があります。隊員の被服の汚れから発症する疾病の防止が目的の装備品です。

 せっかく入浴したらきれいな衣類に着替えたいものです。洗濯というのは災害時には見過ごされがちですが、衣類を清潔に保つことも衛生上重要です。

 台風が接近してきたら事前対策の一つに洗濯を済ませておくというのもあります。

「野外洗濯セット」は民生品そのままの全自動洗濯機が4台、乾燥機1台、揚水ポンプ、発電機がセットで1tトレーラー上に搭載され、貯水タンクや作業台など付属品を積載した大型トラックでけん引します。

 洗濯量は1時間に作業服を約40着とされ、給水や排水の問題があり野外入浴セットと同様に設置するには制約があります。

野外洗濯セット。コンパクトではあるが排水の問題があり、設置できる場所が限られるのが運用で難しい点という。(画像:陸上自衛隊第15旅団Facebookより)
野外洗濯セット。コンパクトではあるが排水の問題があり、設置できる場所が限られるのが運用で難しい点という。(画像:陸上自衛隊第15旅団Facebookより)

「走る銭湯とランドリー」は自衛隊の装備品としては異色に見えますが、自己完結能力が必要な自衛隊でしか扱えないものでもあります。

 維持管理運用には大きなコストがかかり、自治体などではいつ来るか分からない災害用に保有するには手に余り、導入している所はありません。

 これらは本来災害派遣用ではなく自衛隊の戦力維持のための装備品です。

 全国の約20の部隊で「野外入浴セット」が保有されており、「のれん」や「のぼり」は部隊毎に駐屯する地名や名産品にちなんだ名称や図柄に工夫が凝らされています。

 避難所の野外入浴セットからのれんをくぐって出てくる人は一様に笑顔です。自然災害を防ぐことは出来なくても被災者を元気にすることも広義の安全保障と言えるかもしれません。

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