「ゴルフバッグ〇個分」ホントに積める? 車の積載量は数値じゃ測れない!? 使い勝手が良い荷室の条件とは

クルマに荷物を載せるときに使う「荷室/ラゲッジスペース」は広さがもちろん重要ですが、使いやすさも大切です。使い勝手の良い荷室とはどのようなものなのでしょうか。

荷室容量を表すVDA方式って何?

 クルマの「荷室」の広さや積載量は実用性の目安にもなっており、たいていはカタログに記載される「VDA方式」で算出された数値などで比較されることが多いです。
 
 VDAは「ドイツ自動車工業会(Verband der Automobilindustrie)」の頭文字で、ドイツの自動車メーカーや関連企業が会員となっている団体です。
 
 ドイツ国内におけるさまざまなクルマ関連の規格を定めたり、整備に関する法整備などを働きかける団体で、この団体が定めた測定方法がVDA方式というものです。

9.5インチのゴルフバッグが3個積めるホンダ新型「ZR-V」
9.5インチのゴルフバッグが3個積めるホンダ新型「ZR-V」

 荷室の容積を単純に算出するだけなら「幅×奥行き×高さ」で済みそうですが、実際はピラーが寝ていたり、サイド部分も絞り込まれていたり、タイヤハウスの出っ張りがあるなど、荷室の床面が車種ごとに違うため、単純計算できないことからVDA方式が用いられます。

 計算方法は、200mm×100mm×50mmで容量が1リットルの直方体を測定具として、ラゲッジスペースに何個積めるかを測定するというもの。

 ただし条件は、テトリスのようにうまく直方体を組み合わせて積んだ「最大(個数)」であることと、トランクリッドが正確に閉じれば良いという比較的緩いものであり、内側の壁面との間隔や直方体の材質などの規定はないこともあり、VDA方式の数値はあくまで容量の「目安」となっています。

 現在のクルマはたいていシートアレンジが可能になっており、長尺ものなども積載可能ですが、原則として測定はシートアレンジせずにおこないます。

 積載量のたとえで「ゴルフバッグ〇個分」といった表現がよく使われますが、実際にゴルフバッグが搭載できるかは試してみないと一概にはいえず、数値はあくまでも目安です。

※ ※ ※

 荷室の呼び方は「トランク」「ラゲッジスペース」などと呼ばれることもありますが、トランクはセダンなどで居住空間から仕切られて独立したに荷室になっているもの、ラゲッジスペースはミニバンやSUV、ワゴンなどのように後部座席と隔たりがないスペースのことをいいます。

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