日産が「ラグジュアリーセダン」をお披露目! 大型メッキグリル採用の新型「シルフィ」を発売、中国市場の人気を死守出来るか
2023年3月上旬に日産「シルフィ」がマイナーチェンジを遂げて中国で発売されました。
上質なセダンとなったシルフィ
日産「シルフィ」が中国でマイナーチェンジを受けて発売となりました。
同市場では高い人気を誇るシルフィですが、どのような変化を遂げたのでしょうか。
シルフィは2000年、1959年より続いた主力コンパクトセダン「ブルーバード」の後継車種として登場。
「超-低排出ガス」の基準値を更に50%以上下回るという、ミレニアムを象徴するクリーンな排ガスでも当時話題になりました。
当初は「ブルーバードシルフィ」として投入されましたが、2012年登場の3代目モデルで「シルフィ」へと改称、53年間続いた「ブルーバード」の歴史に幕を下ろしました。
日本でもシルフィは販売されていましたが、伸び悩む販売状況により、3代目モデルをもって2021年に販売を終了しています。
海外市場で展開されるシルフィとは対照的に、日本向けモデルは外装デザイン変更をともなうマイナーチェンジすら展開されず、その販売終了の時まで2012年登場時の姿のままでした。
いっぽう、不人気のまま販売終了した日本に対していまだセダンへの支持が根強い中国やアメリカでは日産のベストセラー車種となっています。
2019年には4代目となるシルフィが上海モーターショー2019でお披露目。
若返りを図ったよりスポーティなデザインが特徴で、プラットフォームも新たに「CMF-C/D」を採用したことにより、上質で力強い走りを実現しました。
特に中国では毎年の乗用車販売台数ランキングにおける上位層の常連で、2022年は約41万台を販売、ランキング1位の座を守りました。
この販売台数は通常モデルのシルフィに加え、2021年登場の「シルフィ e-POWER」、併売されている先代モデルの「シルフィ クラシック」、そして先代モデルをベースとした「シルフィ EV」が合算されている数値です。
それでも、中国市場におけるシルフィへの人気は確かなものに変わりありません。
そんなシルフィですが、2023年3月に外装変更をともなう初のマイナーチェンジを実施し、中国で発売されています。
新しくなったシルフィの姿は2023年1月に中国政府系ウェブサイト経由で判明しており、ようやく正式に販売が始まった形となります。
中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)に届け出る必要があります。
工信部に届出された情報は基本的に毎月公開され、そこから各メーカーがどのような新モデルを投入するかが分かるようになっています。
フロントマスクは日産「アリア」より採用が始まった新たなデザインランゲージを採用しており、特徴的だった「Vモーショングリル」が取り払われています。
よりシンプルな構成となったグリルは通常のガソリンモデルとe-POWERモデルで差別化されており、後者ではハニカム構造をベースに、メッキ装を散りばめた高級感のあるデザインとなりました。
ヘッドライトのデザインも変更されているなど、全体的にマイナーチェンジ前ではスポーティな印象だったのが、今回のデザイン刷新ではより落ち着いた上質な印象を与えるものとなります。
基本的なボディは変わらないものの、全長は4641mmから4652mmに延長。
サイドのシルエットを見比べてみると、バンパーが刷新前に比べてより張り出している形状なのが見てとれ、このおかげでよりゆとりのあるシルエットを実現しています。
テールライトのデザインも全面的に新しくなり、フロント同様、ガソリンモデルとe-POWERモデルで異なるデザインを持ちます。
どちらも刷新前と比べてスモークがかった色となっていますが、ガソリンモデルは後退灯(バックランプ)が車体の最も内側にあるのに対し、e-POWERモデルではテールライトの外周を囲うリフレクターの中に収められているデザインとなります。
また、リアバンパーもe-POWERモデルではメッキ加飾が施されていたりと、数々の要素で高級感を演出していることがわかります。
パワートレインに変更はなく、ガソリンモデルはHR16DE型1.6リッター直列4気筒エンジン、そしてe-POWERモデルはHR12DE型1.2リッター直列3気筒エンジンを根幹とするシステムになります。
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中国での販売価格はガソリンモデルが11万9000元(邦貨換算:約231万7600円)から、そしてe-POWERモデルが13万8900元(約270万1800円)となります。
また、先代モデルをベースとする「シルフィ クラシック」は9万9800元(約194万2500円)から販売されます。
中国では依然として高い人気を誇り、乗用車販売台数ランキングの首位を獲得していますが、一方で販売台数自体は減少傾向にあります。
同クラスで競合する中国・BYD製のプラグインハイブリッド車や電気自動車が猛追している状況で今回のマイナーチェンジがどれほど購買層へのアピールとなるかが注目されます。
アリアのデザイン言語ってVモーションの進化系では?(新型セレナなども同様)
なんかヒョンデのエラントラみたいな顔