津波や洪水で「クルマが水没!」 窓が開かない場合はどうすれば良い? 危機的状況での正しい脱出方法とは

近年、堤防の決壊や洪水などでクルマが浸水あるいは水没する被害が後を絶ちません。万が一そのような状況になった場合、一体どのように対処すれば良いのでしょうか。また、水に浸かったクルマはどうなってしまうのでしょうか。

クルマが水没したらどうする!? 正しい脱出の手段とは

 12年前の「東日本大震災」では巨大地震を原因とした津波が発生し、青森県から岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県など太平洋沿岸を中心として、日本の広い範囲に甚大な被害を与えました。

 そしてその報道で流れた映像には、家屋とともに多数のクルマが水没する姿がまざまざと映し出され、多くの人に衝撃を与えたこともいまだ記憶に新しいところです。

愛車が「水没…」 どうやって脱出すれば良い?
愛車が「水没…」 どうやって脱出すれば良い?

 さらに近年は地球温暖化の影響もあって、各地で異常気象が多発。「ゲリラ豪雨」と呼ばれる、に大量の雨が降る現象も珍しくなくなり、それに比例するようにクルマが浸水する被害は毎年後を絶ちません。

 もしも津波や堤防の決壊による洪水などでクルマが浸水あるいは水没した場合、一体どのように対処すれば良いのでしょうか。また、水に浸かったクルマはどうなってしまうのでしょうか。

 基本的にクルマのフロントにエンジンが搭載されている乗用車は、水没した際には前部が下に沈みこむ前傾姿勢となります。

 万が一クルマに乗ったままこのような状況に遭遇してしまった場合には、最優先でクルマから出る必要があります。慌てずにシートベルトを外して車内から脱出し、クルマのルーフに登るようにして避難しなければいけません。

 しかし、水の中にあるクルマは、水圧でドアが開けられなくなる可能性があるといいます。

 過去にJAFがおこなった実験では、およそ水深30cmでドアの開放ができたものの、水深60cmともなると車外との水位差が均等でなければ開放が難しい状況となりました。

 つまり水位がドアより下であれば開きますが、水位がドアの下部の高さを超えた場合には内側からドアを押し開けることは困難になるということです。

 そうなると窓ガラスを開けて脱出するしか道はありませんが、そのときに問題になるのが電動のパワーウインドウです。

 クルマが浸水した際は、水による電気系統のトラブルでパワーウインドウが開かなくなる場合があり、そのときは緊急脱出ハンマー(以下ハンマー)などで窓ガラスを割って脱出しなければいけません。

 そして、どのガラスを割るかも注意が必要だといいます。

 国土交通省は、ガラスをハンマーで割って脱出する際の注意点について、次のように説明します。

「脱出の際には、サイドウインドウかリアウインドウをハンマーで割って脱出するのが良いでしょう。

 フロントウインドウは、飛び石対策や衝突事故時に乗員の被害を軽減することを目的に『合わせガラス』を用いることが法律で義務付けられており、ハンマーで打ってもヒビが入るだけで割れにくいのです」

 一方で、サイドウインドウやリアウインドウに用いられることが多い「強化ガラス」は、衝撃抵抗が普通のガラスよりも高いものの、ハンマーを使用すれば割れる可能性が高いのです。

 なお、トヨタやホンダは「一部のクルマにおいては、サイドウインドウおよびリアウインドウにも合せガラスを使用しているため、その場合はハンマーで割ることができません」と説明しており、使用できない車種の詳細については販売会社に問い合わせる必要があります。

 このように、万が一の際に乗員の命を守るアイテムとして、車内の取りやすい場所に緊急脱出ハンマーを置いておくと良いでしょう。

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