全長3m以下の「超小型車」実車展示! トヨタ&日産のライバルになる? 中国製「Air ev」&「KiWi EV」2車種が2023年内発売へ

アパテックモーターズは、日本市場において中国製の「超小型EV」を2023年中に販売することを明らかにしました。

中国製「超小型EV 2車種」、日本での販売へ 3月開催の震災復興イベントにて展示

 ファブレスメーカー(生産工場を持たない製造業)のアパテックモーターズが、中国製超小型EVを日本で販売することが明らかとなりました。

これはオシャレ! 2023年中の販売が決定している「KiWi EV」(中国国内で生産)
これはオシャレ! 2023年中の販売が決定している「KiWi EV」(中国国内で生産)

 2022年5月に設立されたアパテックモーターズは東京都品川区に本社を置くEVベンチャー企業で、事業内容は「EV車の企画、デザイン、開発、製造、販売に関する事業」、「EV車のリースに関する事業」、「EV車のための充電ステーションの整備事業」としています。

 同社の特徴は単に電気自動車を他国から輸入して販売するだけでなく、その周りのインフラ整備やアフターサポートまでを一括で提供することを目標に置いています。

 主に地方でのEV利用を促進するべく、充電ステーションや、EVシフトによって役割が変化していくであろうガソリンスタンドの活用方法をもビジョンに含めている点が特徴的です。

 アパテックモーターズの代表取締役を務める孫峰氏は、「ゆくゆくは輸入だけでなく、海外メーカーの生産拠点を福島に誘致し、福島の復興に繋げたいとの考えもある」と以前に明かしました。

 そしてこのたびその目標への第一歩となる「中国製超小型EVの国内販売」が決定した形になります。

 2023年中の販売が決定しているのは「Air ev」(インドネシアで生産)と「KiWi EV」(中国国内で生産)で、いずれも上汽通用五菱が製造、販売をしている電気自動車となります。

 上汽通用五菱は今でこそ「宏光 MINIEV」で多くの人にその名前が知れ渡りましたが、実は以前より小型ミニバンを手掛けるメーカーとして既に有名でした。

 宏光シリーズは元より同社の小型ミニバン系列として展開されており、一時は年間販売台数50万台以上を記録、中国で販売された乗用車全体でトップに輝くほどのベストセラーモデルです。

 その宏光をより小型にし、バッテリーとモーターを搭載させた電気自動車版が「宏光 MINIEV」となっており、こちらも2020年8月登場以来、爆発的な人気を誇っています。

2人乗り/4人乗りの2種類が用意される「Air ev」(インドネシアで生産)
2人乗り/4人乗りの2種類が用意される「Air ev」(インドネシアで生産)

 2022年6月に発表された「Air ev」は全長2974mm×全幅1505mm×全高1631mmと、全長2917mm×全幅1493mm×全高1621mmの宏光MINIEVと近いボディサイズを持ちます。

 ですが、航続距離(CLTC方式)は宏光MINIEVが120km(容量9.3kWh)と170km(容量13.8kWh)なのに対し、Air evではそれを上回る200 kmと300 kmのモデルを用意。

 また、乗車定員もホイールベース1635mmの2人乗り、そして2009mmの4人乗りの2種類となり、より実用性が重視された超小型EVとなります。

 近未来的かつシンプルなフォルムは高級感を感じさせます。

事実、価格帯も宏光MINIEVよりも上であり、宏光 MINIEVが3万2800元(邦貨換算:約63万6800円)から4万4800元(約86万9800円)であるのに対し、Air evは6万7800元(約131万6000円)から8万2800元(約160万7600円)にて中国とインドネシアで販売されています。

洗練されたデザインが印象的な「KiWi EV」(中国国内で生産)
洗練されたデザインが印象的な「KiWi EV」(中国国内で生産)

 また、「KiWi EV」は上汽通用五菱が展開するブランドの一つ「宝駿」下の超小型EVです。

 2020年1月にローンチされた当初は「宝駿 E300」という車名でしたが、2021年8月のマイナーチェンジで「宝駿 KiWi EV」へと改称しました。

 近未来的でSFチックなフォルムはどこか愛嬌があり、同じプラットフォームを採用する宏光MINIEV同様、非常にコンパクトな寸法が特徴です。

 全長2894mm×全幅1655mm×全高1595mmのボディは大人4人が乗車できるとしており、内外装ともに宏光 MINIEVよりも洗練された印象を与えます。

 中国での価格は8万7800元(約170万4000円)からで、価格帯においてはAir evよりもさらに上のモデルです。

 実際に日本でこの2車種を販売する際は、輸入費用だけでなく、保安基準への適合・改善作業に加え、サポート構築やインフラ整備が必須となってきます。

 そうなれば価格は中国本国よりもより高くなるので、日産「サクラ」やトヨタ「 C+pod(シーポッド)」など競合する日本メーカーの小型EVに対していかにアドバンテージが得られるかが肝心となるでしょう。

※ ※ ※

 アパテックモーターズはこれら2車種に加え、福島県大熊町の名前を冠した小型EV「大熊 Car」を2023年3月12日に「大熊インキュベーションセンター」で開催される「みんなで作ろうおおくま学園祭 2023」にて展示します。

 2011年3月11日の震災被害以来、復活を遂げて新たに生まれ変わる大熊町を、小型EVでさらに復興を後押ししたいアパテックモーターズの思いが込められています。

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