上野のパンダ、なぜ中国に返還? さよなら「シャンシャン」に小池都知事もコメント! 動物輸送は大変? トラックは日野製だった

恩賜上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン」が2023年2月21日に中国へ返還されるために輸送作業が行われました。

シャンシャン、中国に返還へ

 2023年2月21日、東京都台東区にある恩賜上野動物園(以下、上野動物園)からジャイアントパンダ(メス)のシャンシャンが中国に返還されるために輸送作業が行われました。
 
 動物を輸送する際に使われるトラックとはどのようなものなのでしょうか。

さよならシャンシャン! 2023年2月21日に中国への返還された(写真:公益財団法人東京動物園協会/恩賜上野動物園)
さよならシャンシャン! 2023年2月21日に中国への返還された(写真:公益財団法人東京動物園協会/恩賜上野動物園)

 白と黒の模様で愛くるしい姿を見せるパンダは動物園の人気者といえる存在です。

 日本でパンダが見られる動物園は、和歌山県のアドベンチャーワールドや兵庫県の神戸市立王子動物園、そして東京都の上野動物園の3か所となっています。

 上野動物園のホームページによれば、1972年10月28日に日本で初めてジャイアントパンダが来園したといい、2022年で来園50周年を迎えました。

 初めて上野動物園に来園したのは「カンカン」と「ランラン」となり、その後2021年に生まれた「シャオシャオ」と「レイレイ」など、50年に渡り様々なパンダが来場者から愛されてきました。

 今回、中国に返還されるシャンシャンは、リーリーとシンシンの間に2017年6月に上野動物園で生まれました。

 返還されるにあたって小池百合子東京都知事は「シャンシャンの里帰りにみんな寂しいとは思います。でも今度はシャンシャンが立派なお母さんになることを期待しましょう」とコメントしています。

 東京都と中国野生動物保護協会は「中国野生動物保護協会と日本国東京都とのジャイアントパンダ保護研究実施の協力協定書」にもとづき、ジャイアントパンダの繁殖研究プロジェクトを進めてきました。

 これによりジャイアントパンダの保護を促進し、中国における野生動物保護事業のさらなる発展に寄与するとともに、自然環境の保全・野生動物の保護への理解を図ってきたといいます。

 そうした中、シャンシャンは東京都と中国野生動物保護協会との協定において所有権をもつ中国に返還することとなったのです。

 これまで何度か返還の話があったものの延長が行われた結果、2023年2月21日の返還になったといいます。

 なおシャンシャンは、上野動物園から成田空港までを阪急阪神エクスプレスの輸送トラックとなる日野「レンジャー」で運び、成田空港から飛行機にて中国に旅立っていきます。

 なお阪急阪神エクスプレスでは動物輸送を長年行っており、前述の1972年に初めて上野動物園に来園したジャイアントパンダも輸送していたようです。

 また過去にはコアラ、インドゾウ、シベリアタイガー、オカピ、ゴリラなど様々な動物の輸送実績があるといいます。

 動物輸送は、狭くなれない専用ボックス(檻)でのストレスや移動時の振動などあらゆる部分に気を配らなければならない他、動物愛護管理法に基づく国内輸送の書類や、陸路の場合には通行する各都道府県ごとの書類など様々な手続きが必要です。

 さらにシャンシャンの場合はワシントン条約に基づいて、輸出国側の日本と輸入国側の中国での許可が必要となるなど、簡単に移動させることは出来ません。

 このようにして中国に返還されるシャンシャンですが、返還される当日には多くのファンが上野動物園周辺に集い、レンジャーに乗せられたシャンシャンに別れを告げ、お昼頃には成田空港から中国へと旅立っていきました。

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1件のコメント

  1. その輸送車両の荷台内部の写真が一枚もないのですが。

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