「知らなかった!」「教習所で教えてよ」免許証の“手書きNG”に反響の声! 唯一「自由記入」が許されている項目は?

運転免許証の裏側には「備考欄」が設けられており、実は手書きで何かを書いてはいけないという決まりがあります。これについてユーザーから反響が寄せられています。

免許証裏側の「備考欄」手書きNG、知ってた?

 運転免許証(以下、免許証)の裏面には備考欄があり、住所や氏名などの変更事項が書き加えられます。
 
 備考欄を自分で手書きするのは法律上NGとされており、これについてユーザーからはSNSなどにさまざまな反響が寄せられています。

免許証の備考欄、手書きNGだった!
免許証の備考欄、手書きNGだった!

 免許証の裏面には備考欄があり、引っ越しで住所変更をしたときや結婚で苗字が変わった際などに警察施設で変更手続きを行うと、新住所や新氏名などを書き加えてもらえます。

 備考欄にはそれ以外にも「眼鏡等」、「普通車はAT車に限る」といった条件の解除・変更のほか、大型自動二輪免許や普通自動二輪免許の取得日が記入されることがあります。

 通常、免許更新をすれば備考欄はまっさらになりますが、大型・普通自動二輪免許の取得日については、基本的に取得日から3年経過するまでは備考欄へ記入されます。

 これは、高速道路や自動車専用道路において大型・普通自動二輪車が二人乗りできるようになるまでに3年の期間が必要であり、そのことが一見して分かるようにするため、備考欄に取得日が記載されるのです。

 このように、免許証の備考欄にはさまざまな内容が記入されます。

 そんな免許証の備考欄について、実は免許証は公安委員会が発行する公文書であるため、自分で新しい住所を手で書き加え、その免許証を利用した場合には有印公文書変造罪や行使罪といった重い罪に問われる可能性があるのです。

 これについてSNSでは、「書き込めると思ってた」「知らなかった!」「教習所で教えて欲しい」「保険証と混同しちゃってるんですかね」など、意外と知らないというユーザーの声もありました。

 同じ身分証明書でも、例えば会社の健康保険組合が発行する「健康保険証」の中には、会社に届出をすれば自分で新しい住所を手書きできるケースもあることから、免許証の備考欄を手書きしても良いと勘違いしてしまう人がいるのかもしれません。

 国民健康保険証やマイナンバーカードなどの身分証については役所での手続きが必要になるため、自分の持っている身分証明書の変更手続きをよく確認することが大切といえるでしょう。

※ ※ ※

 一方で、免許証の裏側の、「臓器提供の意思表示欄」については、唯一自由記入が許されています。

 免許証の備考欄の下には、「以下の部分を使用して臓器提供に関する意思を表示することができます(記入は自由です。)」と記載されており、この意思表示欄に関しては備考欄と異なり、本人の自由に書くことができます。

 ただし注意しておきたいのは、免許の更新後は免許証自体が新しくなるため、臓器提供に関する意思表示欄もまっさらになってしまうことです。

 神奈川県警察の「運転免許取扱要綱の制定について」という資料では、警察が新しい免許証を交付する際には、旧免許証で意思表示をしていた免許保有者に対して「臓器提供の意思を表示する方法として活用できなくなる」旨を教示するよう指導されています。

 免許証は肌身離さず持ち歩いている人も多く、自身に万が一のことがあったときを想定し、意思表示欄を記入している人もいます。

 そのため、免許更新後も継続して意思表示をする場合には、新しい免許証の意思表示欄に記入することを忘れないようにしなければいけないといえるでしょう。

 また意思表示欄を見られたくないという場合には、警察署の免許の窓口などに「意思表示欄保護シール」が設置されていることもあるため、必要であれば利用しても良いかもしれません。

 免許更新後に意思表示欄を書き忘れることが気になるという人は、公益社団法人日本臓器移植ネットワークの臓器提供意思表示カードを持つか、ホームページでも意思表示を登録できるため、家族とよく話し合いのうえ、検討してみても良いでしょう。

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