スバル車はなぜ冬に強いと言われるのか? 雪国のユーザーから厚い信頼を得ているワケ
雪上走行に理想的な造りを持つスバル車
「スバリスト」という言葉が生まれるほど、スバル車の人気は世界中に広まっていきます。日本でのシェアを見てみると、全国でも北海道、東北地方で4%以上を確保。降雪地帯のユーザーにスバル車は大きな信頼を得ていることが分かります。その理由はどこにあるのでしょうか。
雪道で走らせやすいクルマとは、理想的な重量バランスでスリップしにくく、万が一の時はリカバリーが容易ということ。そういう意味では、スバル車はどれも理想的な造りになっています。
最大の特徴が「シンメトリカルAWD」であるということ。まずコアになっているのがBOXERエンジンですが、同形式は左右対称な構造であるばかりでなく、低重心なことも美点のひとつ。ほかの形式のパワーユニットにはない“重量バランス”と“低振性”を備えています。さらに、エンジンが発生する駆動力を各輪に伝えるパワートレインも左右対称で、ここでも走行に有利な重量バランスを実現します。
こうした特徴は、滑りやすい雪道においてアドバンテージがあることを意味しています。加えて、スバルSUVに搭載される最新のAWDシステム「X-MODE」が、圧雪路、凍結路、深雪路で優れた走破性と操縦安定性を確保。アクセルワークなどに神経質にならずとも安心してドライブでき、もし深雪でスタック状態に陥った時でも高い脱出性能を発揮してくれます。
さらにシンメトリカルAWDのバランスの良さにより、ドライブ中の急激な重心変化が起きにくく、結果的にスリップしにくくなっています。またスリップした後のハンドルリカバリーのしやすさも、シンメトリカルAWDならでは。これもまた、スバル車が雪に強いといわれる要因なのではないでしょうか。
また、見逃せないポイントもあります。それは、スバル車は「寒冷地仕様」が標準装備であるということです(一部モデルを除く)。
寒冷地仕様として「大容量バッテリー」「大発電量オルタネーター」「ハイカロリーヒーター」、そして「リアフォグランプ」が備わり、これらはどれも降雪地帯では心強い装備で、オプション選択しなくても標準で付いているというのは嬉しいかぎり。
加えて、寒冷時でも身体全体をじんわり温めてくれる「シートヒーター」やワイパーブレードの凍結・雪付着を防ぐ「ワイパーデアイサー」、ヘッドライトに付着した氷雪を除去する「ヘッドライトウォッシャー」などの装備も、雪道ドライブを安心で快適なものにしてくれます。
スバル車といえば、充実した安全装備もまた雪道でのセーフティドライブを高めてくれます。「アクティブ・トルク・ベクタリング」「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」といった操縦安定性を高める走行支援システムは、雪道で心強いものです。
さらにドライバーをさまざまな角度からサポートしてくれる「新世代アイサイト」が装備されており、高い安全性を誇ることも魅力といえます。
スバル車の素性の良さは、もちろん雪道だけでなく、晴天や雨天の舗装路、ダート、泥道などでも遺憾なく発揮されます。
1300G 4WDから始まったオールーシーズン、マルチパーパスに使えるというスバル車の系統は時代とともに着実に磨かれているのです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
四輪独立懸架のサンバーでも雪上、砂上は強いですよ。
いままでにスタックの経験は無いですね。マイクロバスがスタックするような冬の悪路(圧雪+塩カル→ザラメ状)でも低速ギヤでぶん回せば無理矢理通過できます。
仙台支店で営業職だったとき、営業車のトヨタプレミオ⇒スバルインプレッサ、マイカーのスカイラインR32GTEだった。スバルインプレッサは走り出した瞬間に重心の低さが感じられ、雪の月山超えも怖くなかった。