まさかのトヨタ「セリカ復活!?」 2年&4000万円かけて2023年にお披露目! 優勝マシン復活の背景とは

なぜ巨額の費用を投じてレストアを決意したのか?

 レストアされたセリカGT-FOURは、2023年1月13日から15日に開催された東京オートサロン2023のTEINブースに展示され大きな注目を集めました。

会場で藤本氏に「セリカ復活」話を聞きました。

―― 伝説のセリカGT-FOURを復活させた経緯について教えてください。

 1995年にサファリラリーで優勝したあと、日本に戻ってきたセリカはそのあと20年以上、トヨタが保管していました。

 MEGA WEBに展示されていたこともありましたし、TRDに置かれていたこともありました。

 しかし、ラリーで戦って戻ってきたそのままの状態であったため、とくに手入れもされておらず、年数も経ってきてかなり朽ちてきて、トヨタの手からも離れる可能性がありました。

 トヨタに動態保存をお願いしてみましたが、予算がないとのことでレストアは叶わなかったのです。

 ほかの人の手に渡るくらいなら、ということで個人で買い取ってレストアを決意しました。

 私にとっても思い出のクルマであり、動態保存をして後世に伝えていく価値がある個体だと思いましたので。

伝説のセリカGT-FOURが復活!(画像は1995年のサファリラリーの様子/提供テイン)
伝説のセリカGT-FOURが復活!(画像は1995年のサファリラリーの様子/提供テイン)

―― レストアはどちらでおこなわれたのでしょうか。

 もともと、このセリカはTTEによってドイツで作られました。

 レストアをお願いしたのはドイツ・ハノーバーにある、CAR-ING社のファクトリーです。

 サファリラリー優勝を支えたジェラール・フィリップ・ツィジック氏が率いるCAR-ING社は1980年から1990年代にTTEで実際にメカニックやエンジニアをやっていたトッププロの人たちが退職して作ったスーパー職人チームです。

―― レストアはどのようにおこなわれましたか。

 ホワイトボデーの状態までバラされてからの組みな直しでした。

 ラリー車を動態保存するには2種類の方法があって『ゴール直後の状態』でレストアするか。『スタート時点の状態』にまで戻すかです。

 本当は、車体の傷や損傷などもそのままにフィニッシュした直後の状態で残したいと思いましたが、それはさすがに難しいとのことでスタート時点の状態に戻すことになりました。

 1995年のサファリラリーの様子(画像提供:テイン)
1995年のサファリラリーの様子(画像提供:テイン)

―― レストアにはどれくらいの時間と費用が掛かっていますか。

 2019年6月に日本を出て、戻ってきたのが2021年6月でした。

 レストアの作業には約2年がかかっています。

 費用は約4000万円(輸送費、部品代、作業代)で、もとのラリー仕様のセリカはその当時に新車で購入すると1億円オーバーでした。

※ ※ ※

 ひょんなことから「セリカ復活」が話題となりましたが、実際に2年の月日と4000万円をかけて完全再現されたセリカGT-FOURは、多くの人の心を掴んだようです。

【画像】これが完全復活を遂げた「セリカ」 2年&4000万円注ぎ込んだ実車を見る(48枚)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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