車の「タコメーター」なぜタコ? 海や空のタコと関係あり? 意外な語源と経歴をたどってみた

クルマのエンジン回転数の計器は「タコメーター」ですが、名前の「タコ」は何を意味するのでしょうか。その言葉の由来と、似たような言葉「スピード」との違いを探ります。

速度測定に用いられていたタコメーター

 タコメーターは、移動手段の発達と深い関わりがあります。

 19世紀初頭、イギリスで蒸気機関車が発明されました。

 それまで移動といえば徒歩や馬が基本でしたが、大量の人や物を速く運べる蒸気機関車(鉄道)の登場によって「速度を測る」必要が生まれたのです。

 そこで1840年頃から、回転数を測るタコメーターが蒸気機関車に活用されるようになりました。車輪の回転数を測り速度の算出に使われるようになります。このため名前に速度のTAXOSが使われていたというわけです。

タコは速度を表すけど…「スピードメーター」とは何が違う?
タコは速度を表すけど…「スピードメーター」とは何が違う?

 ちなみに現在広く使われている「speed(スピード)」は、タコスより新しい言葉であり、今の意味で用いられるようになった初出は、確認できる最も古いもので1879年です。

 移動手段がゆっくりで乏しかった当時、「速度」は学術的・専門的に使われる概念であり、まだ一般的ではなかったと考えられています。

 そしてその学術の世界では、用語に古代ギリシャ語(ラテン語)を用いるのが一般的で、タコスもその一つでした。

 古代ギリシャ語(ラテン語)が用いられる理由は、それが死語であり、現在進行系で使われ方や言葉の意味が変わることが少ないためといわれています。

※ ※ ※

 専門の世界から出てきた、いわば“先輩”の言葉であるタコスは、その後も回転計の名前に使われています。

 そして鉄道や自動車が発達して速さが重視されるようになり、「速度」の概念が一般化すると“後輩”のスピードという言葉も活躍するようになり、今では回転計と速度計が並ぶようになっています。

 ちなみにメキシコ料理のタコス(tacos)は、スペイン語の「軽食」に由来しており、乗りものの計器類とは無関係です。

【写真】「レッドゾーン8000回転」は当たり前!? 高回転「モンスターマシン」を見る(23枚)

【買取査定】実績500万人超!車をお得に売却(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: くるまのニュース編集部

【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。

1 2

【見逃し限定配信中】「自動車DXサミット vol.4」 BYDの最新事例を紹介 Amazonギフト券プレゼント〈PR〉

【中古車】がお得!? 新車不足で人気沸騰

【新車】簡単見積り! 自動車カタログを見る(外部リンク)

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング(外部リンク)

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー