「安心感がスゴイ…」 なぜ滑りやすい路面でも日産「電動4WD」は走るのか 湖上で体感してみた!

なぜ日産「電動4WD」は滑りやすい路面でも安心なのか?

 さて、どうして日産の電動4WDは発進、コーナリング、そしてブレーキのシーンでドライバーに安心感を与えてくれるのでしょうか。

 その理由は綿密な前後モーターのトルクコントロールをおこなうこと、そしてブレーキとの協調制御にあります。

 たとえば発進は、インバーターが1万分の1秒単位というドライバーには決して真似できない領域でトルクの出方をコントロール。

 スリップを検知すると瞬時にトルクを抑えるのでタイヤが空転しない理屈ですが、1万分の1秒という単位はエンジンの出力コントロールでは実現できないモーターならではの綿密さ。

 だから滑りやすい路面においても、これまでにない滑らかでスリップのない発進加速を実現しているのです。

 旋回性能に関しては、まず4輪それぞれのタイヤのグリップ能力をしっかり把握。

 そのうえでタイヤの能力を最大限に生かせるように、内側のタイヤにブレーキをかけるのに加え、前後のトルク配分を綿密にコントロールしてクルマが理想的なコーナリングをするように制御するのです。4輪のブレーキ力と駆動力を素早く正確にコントロールするのがポイントです。

 減速に関しては、どんなに優れたドライバーでも「ブレーキペダルを踏む→ロックを検知→ブレーキペダルを緩める」の動作にタイムラグがあるのは否めません。

 しかし1万分の1秒単位で制御する日産の電動4WDはタイヤロック状態を検知すると「素早く減速を緩める→グリップ回復でまた減速度を高める」の動きをドライバーよりずっと素早く瞬時に繰り返すので、人間よりも素早く安全に減速できるというわけです。

日産の電動4WDは発進からコーナリング、そして減速まで安心感が違う?
日産の電動4WDは発進からコーナリング、そして減速まで安心感が違う?

 ところで、新型エクストレイルやアリアの4WDはe-4ORCEという愛称で呼ばれますが、同じ電動4WDでも「ノート」に搭載されている4WDシステムはそう呼ばれません。その違いはどこにあるのでしょうか。

 それは4WDとシャシの協調制御をおこなうか否かです。

 これまではブレーキやスタビリティコントロールをおこなうコンピューターユニットと4WDの制御をおこなうユニットは別々に搭載されていました。

 しかしe-4ORCEでは車両の目標とする動きを決定づけるシャシー制御のコンピューターユニット内にブレーキ制御や駆動トルク制御も納まり、それらを統合して連携を深め、より綿密に制御するシステムになっているのです。

 たとえばエクストレイルの制御規模はノートの約1.5倍となり、4輪のグリップを瞬時に制御できるようになりました。

 冬の滑りやすい路面は、どんなドライバーでも不安を感じるもの。でも、日産の電動4WDは発進からコーナリング、そして減速まで安心感が違うのです。

 1年前はノートの4WDに乗りその凄さに驚きましたが、2023年はe-4ORCEに乗ってさらに安心感が高まったことを実感しました。

 もしもe-4ORCEを滑りやすい路面で運転する機会があれば、誰もがそのスムーズさと安心感に驚くことでしょう。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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