クルマの免許を取る方法のひとつに、いわゆる「一発免許」があります。初心者には難しいといわれていますが、どのような方法なのでしょうか。

　クルマの免許を取ると決めたら、公安委員会の指定する自動車教習所に通うのが一般的な方法でしょう。

　しかし、運転免許を取得するにあたって教習所に通うことは必須ではなく、運転免許試験場や免許センターなどで試験を受ける「一発免許」という方法を取れば、教習所に通わずに運転免許を取ることができます。

　一発免許で運転免許を取得する最大のメリットは、教習所と比較して時間とお金がかからないことです。

　教習所に通う場合は、カリキュラムに従って学科26時間、技能教習はマニュアルであれば34時間、AT車では31時間を受講し、試験場や免許センターなどで学科試験に合格しなければなりません。

　教習所には通学と合宿があり、合宿では2週間程度で取得できるところが多いですが、通学であれば早くても1か月ほど、年度末や夏休み期間中などの繁忙期には2、3か月ほどかかることもあります。

　一方で、一発免許ではこれらの教習を受ける必要がなく、視力検査などの適正試験のほか、「仮免許学科試験」、「仮免許技能試験」、「本免許学科試験」、「本免許技能試験」の4つの試験に合格し、取得時講習である普通車講習と応急処置講習を受講することで免許を取得できます。

　ただし、仮免許を取得してから本免許試験を受けるまでには、5日以上の路上教習が必要となるため、すでに同じ免許を持っている人に助手席に同乗してもらって、決められた練習内容を公道でおこなう必要があります。

　また、免許取得費用についても、教習所では20万円から30万円程度かかりますが、一発免許では受験手数料と講習の受講費用のみで済みます。

　必要な手数料は仮免許試験が5500円（受験料2900円、試験車使用料1450円、仮免許証交付料1150円）、普通免許試験が5400円（受験料2550円、試験車使用料800円、免許証交付料2050円）、取得時講習が1万5400円で、仮に試験を1回ずつで合格すれば合計2万6300円で運転免許を取得できるということになります。

　このように、上手くいけば時間とお金をかけずに免許を取得することが可能です。

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　とはいえ、一発免許は、何らかの理由で免許の再取得が必要になった人や、私有地で十分な運転経験があるなど、すでに運転技術のある人が免許を取得しようとする時に有効な方法といえるでしょう。

　一方で、初心者で取得しようとするとかなり難易度の高いものであるといえます。

　たとえば、教習所であれば運転操作や安全確認の方法のほか、実際の運転で必要となる運転のコツやポイントなどを教官に教えてもらえますが、一発免許ではこのような機会がありません。

　身近にいる運転免許保有者からアドバイスを受けるという方法もありますが、試験コースをクリアするためのコツや確認すべきポイントは、教習所だからこそ教えてもらえる内容でもあります。

　学科試験については、市販のテキストで独学でも十分に学習が可能であり、すでに二輪免許などを持っている人は受験が免除されますが、運転操作については実際にクルマを運転してみないと身に付きません。

　運転経験のない初心者ではかなり難易度の高い一発免許ですが、興味のある人はチャレンジをしてみても良いかもしれません。