なぜ「レクサスエンブレム」じゃない? 「謎のSUV」を限定1台販売! 自動運転搭載の「チューリングカー」とは

完全自動運転車両の開発・販売に取り組むTURINGは、自社開発のAI自動運転システムとオリジナルエンブレムを搭載した「THE 1st TURING CAR」を限定1台で販売することを発表しました。

レクサスエンブレムからオリジナルエンブレムが採用された謎のSUVとは

 2023年1月20日にTURING(チューリング)は、自社開発のAI自動運転システムとオリジナルエンブレムを搭載した「THE 1st TURING CAR」を限定1台で販売することを明らかにしました。

なぜレクサスエンブレムではない? チューリングのAI自動運転機能を搭載する「THE 1st TURING CAR」(ベースはレクサス「RX」)
なぜレクサスエンブレムではない? チューリングのAI自動運転機能を搭載する「THE 1st TURING CAR」(ベースはレクサス「RX」)

 チューリングは「We Overtake Tesla」をミッションにかかげ、完全自動運転EVの量産を目指すスタートアップです。

 世界で初めて名人を倒した将棋AI「Ponanza」の開発者である山本一成氏と、カーネギーメロン大学で自動運転を研究し、Ph.D.を取得した青木俊介によって2021年に共同創業され、AI深層学習技術を用いた限定領域に留まらない「完全自動運転」の実現を目指しています。

 今回、限定1台として販売される「THE 1st TURING CAR」はレクサス「RX450h」をベース車両として、チューリングが自社開発したAI自動運転システムを搭載したエンドユーザー向けに販売する製品です。

 従来の自動運転/運転支援技術は、多種多様なセンサーや周辺領域の高精度3次元データなどを用いて動きを制御するというアプローチをとることがほとんどだといいます。

 一方、チューリングのAI自動運転機能は「人間が目で見たものを頭で判断して運転する」のと同様に、特殊なセンサーなどを用いず、フロントガラスに取り付けられたカメラで読み込んだ画像データから、白線や前走車をAIが検知/判断し車両を操作します。

 チューリングはこの技術を、2022年10月に実施された「北海道一周長距離走行実証」を含む、各地での実証で進化させてきました。

 また従来フロントグリルにはレクサスの「L」エンブレムが付けられますが、今回の「THE 1st TURING CAR」ではオリジナルエンブレムを装着。

 これは「日本のシンボルである鶴が降り立ち水面に波紋が広がるように、世界の自動車業界に一石を投じる」、「ソフトウェアとハードウェアが両翼となって完全自動運転車を生み出す」という願いが込められています。

 今回の取り組みについてチューリングの共同創業者CTO・青木俊介氏は次のようにコメントしています。

「チューリングは自動運転システムをつくる会社ではなく、車両開発まで含めた『完成車メーカー』になることを目指しています。

 2025年に100台、2030年には1万台の生産と販売をマイルストーンに置いており、今回の『THE 1st TURING CAR』はその第一歩となる製品で、チューリングにとって非常に重要な意味を持ちます」

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