存在感スゴい…! 豪華仕様「デコトラ」実車展示! レトロ&ガンダム仕様の違いあった!? 特徴はいかに
かつて一世を風靡した「デコトラ」ですが、実は令和の現代にも残っています。東京・代官山に展示された2台にはどのような特徴があるのでしょうか。
レトロと先鋭。どんな表現もできるデコトラの世界とは
デコトラといえば豪華絢爛な加飾や電飾が施されているトラックのイメージがあります。
実はひと言でデコトラといってもいくつかのスタイルが存在するといいます。
デコトラを一般化させたのは、東映映画の「トラック野郎」といっても過言では無いでしょう。
豪華絢爛にデコレーションされたトラックは、実用的な飾りつけからアートにまで昇華しました。
トラックに行灯(あんどん)を付けて、〇〇運送とか△△急送とか提示しているのがよく見る一般的な装飾です。
そこにトラック運転手の思い入れのあるフレーズや、ニックネーム(〇〇丸)とかを付け始めて、他のトラックよりも目立たせようとしてきました。
電灯を多く付けて夜でも目立つようにし始めたのが豪華なデコレーションの始まりかもしれません。
ステンレス板を加工して車体や荷台に付けたのは、サビを防ぐ効果が始まりともいわれています。
現在もそのために付けている場合もありますが、ステンレスの反射を生かした綺麗さのために装着されている場合もあります。
飾りつけが徐々に大きく目立つようになったのがデコトラの発祥ともいわれ、一般的に認知されていくようになったのは、前述の「トラック野郎」がきっかけでしょう。
トラック野郎とは1975年から1979年まで、東映映画で放映された全10作の作品で、主演の一番星桃次郎を菅原文太、やもめのジョナサンを愛川欽也がつとめました。
それぞれが乗車するトラックには派手な装飾が施され、荷台の箱には大きな絵が描かれていました。
当時のデコトラは電球を使った電飾が一般的で、トラック自体の発電量や電球による発熱などもあり、実はそれほど多くの電球は使われていません。
それを補うように魚の鱗模様をしたステンレスを貼り付けたり、スパンコールの板を多く使いキラキラしているよう見せています。
現在のデコトラではLEDライトやフラッシュライトが使われることが多く、大量の光源をコンピューターを使って光り方をコントロールしてさまざまな光り方を見せてくれます。
昔ながらの電球を使ったデコトラの装飾方法をレトロスタイル、LEDを大量に使い、より立体的な造形を魅せるのがガンダムスタイルと呼ばれています。
そんな両スタイルが都心に集まったイベントがありました。
蔦屋書店 代官山でおこなわれた、デコトラ写真集「DEKOTORA-Spaceships on the Road in Japan-」の発売イベントです。
広告や雑誌、アーティスト写真などを手がけるフォトグラファーの秦淳司さんが15年追い続けた、デコトラの芸術性を表現した写真集です。
夜間にライトアップされたデコトラは、その装飾の美しさや真っ暗な背景の中に浮かび上がる浮遊感を演出しており、ファンタジーな世界を見せてくれます。
昨今のクルマは安全装置やヘッドライトのLED化等々で自分たちでバラしたりカスタムしたりできないものが多いし、一時デコトラのペーパー車検やってたカスタムショップが摘発されてニュースにもなったから、いわゆるガンダム系はそう遠からず消えるであろう。
日本発祥のカスタムが海外で人気を博す一方で、ご当地では、消えつつあるとは皮肉なもんだ。