電動キックボード解禁へ! 16歳以上免許不要でヘルメットは努力義務 車・歩行者から見てホントに大丈夫?
歩行者にとって電動キックボードはどんな存在になる?
では、歩行者目線ではどうでしょうか。
特定原付のなかで、自転車通行可能な歩道などを走行できるものがあります。それが、「特例特定小型原動機付自転車(特例・特定原付)」です。最高速度6km/hとし、緑色の点滅ライトをつけながら走行する仕組みが必要です。
人の通常の歩行速度は3km/h程度であり、少し元気なペースだと4km/h程度。6km/hというと、歩行者にとっては早歩きと軽いジョギングとの中間くらいの速さ感になります。
自転車は6km/hよりも速い速度で通過していくので、特例特定原付は歩行者にとっても自転車にとっても、走行ペースが合わせにくい乗り物に見えるのではないでしょうか。
そして台数が少なければ、歩行者も自転車もなんとか許容できるでしょうが、かなりの台数の特例特定原付が共存するとなると、歩行者や自転車にとってどう感じるのが気になるところです。
筆者(桃田健史)は、同じく最高速度が6km/hと規定されている電動車いすを所有しており、各地で新しいモビリティの可能性を考えるため自主的な実証試験などをおこなっています。
一部地域では電動車いすの最高速度を10km/hに上げる実験もおこなわれており、電動車いすと同じく、特例特定原付の歩道走行の速度が今後上がる可能性も考えられるでしょう。
ただし、そうなると今度は、電動車いすや特例特定原付と、歩行者との速度差が拡がってしまい、衝突の際の被害が大きくなることも懸念されることから、さまざまな角度からの検証が必要なると思います。
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特定原付である電動キックボードがこれから普及していく際にもっとも重要なのは、仮に事故や違反や迷惑行為などが発生した場合、市町村単位で地元警察や地域住民の人たちが、その地域の特性を十分に理解したうえでローカルルールや条例をつくるなどして、町に寄り添った解決方法を考えていくことではないでしょうか。
実際、電動キックボードの普及が進む欧米でも、そのような動きが各地で見受けられます。
ついに始まった、電動キックボードに係る大胆な規制緩和の行方を、これからもしっかりとフォローアップしていきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
あまりにもルールを守らない乗り手が増えることで、対電動キックボード専門の当たり屋が出てくるんじゃないですか?。車や自転車やバイクと接触するよりも危険は小さいですし。
ルールを守らない人は法律に疎いでしょうから良いカモでしょう。どうせ大半は軽車両(自転車・リアカー・馬車など)という認識はなく、歩行者の延長上という認識で歩道を暴走するでしょうから、人にぶつかっても逃げる人が続出すると思いますよ。ある意味でそのような当たり屋が出てくることで注意喚起になると思うし、乗る側も歩行者に配慮して、乗ってはいけない場所では降りるようになるかと。
自転車でさえ傍若無人な乗り手が多いのですから、これがもっと乗りやすく小回りも効くとなれば、地下道やアーケード内を走る人は絶対に出てきますって。