ただの「ハコ」が凄い…なぜ? オフロード感強調のカスタムが今流行? 存在感バツグンなBOXの最新情報とは
最近のアウトドア/オフロードカスタムとして「ラキッド(無骨さ)」がトレンドとなっていますが、それを主張するアイテムとしてハコがトレンドになりつつあるといいます。
ただのハコに見えますが…存在感はバツグン!
2018年に登場したスズキ「ジムニー」が火付け役となって、ここ数年で「クロカン4WDの復活」「オフロード系エクステリアのブーム」といった流れができました。
さらにオーストラリアやアメリカから上陸したオーバーランドというライフスタイルもミクスチャーされて、ラギッドな見た目のクルマが増殖しています。
東京オートサロン2023に出展されたカスタムカーも、その多くがオフロードルック、オーバーランダールックといったヘビーデューティ系。
ここにキャンプや車中泊といった要素が加わり、日本独自のスタイルが確立されつつあります。
この手のカスタムのなかで、いまや定番となったのが「箱」です。
最初に火を付けたのが、アメリカからやってきた「ROTOPAX」。ROTOPAXは樹脂でできたタンクやコンテナボックスを製造しているブランドで、本場ではピックアップトラックやSUVに取り付ける実用品として売られています。
大小さまざまなサイズに加えて箱形や円筒形などカタチも数種類あり、日本では2ガロン・ウォータータンクがジムニーカスタムで流行して以来、ほかの車種への装着も広まりました。
そのほかジムニーに端を発して広がった箱が、コンテナボックスです。ジムニーは車内空間が狭く、たくさんの荷物は載せられません。
そこでキャンプ派は、ルーフラックとコンテナボックスを併用することで、ジムニーの積載性を解決しました。
その見た目がヘビーデューティだったことから、ほかの車種でもトレンドに。荷物が入っていないのに、ドレスアップとしてコンテナボックスを載せている人も少なくないようです。
コンテナボックスはホームセンターなどで売られているノンブランド品を使っている人もいますが、カスタム業界で定番になっているのが、オートバックスが展開しているブランド「ゴードンミラー」のボックス。
アースカラーに塗られており、ルーフラックに載せるとミリタリーな雰囲気になるのが特徴です。
同ブランドは同色でシートカバーなどのインテリアも併せてリリースしており、車内外でコーディネイトするユーザーも。最近では、キャンピングカーのバンコンユーザーにも人気となっています。
このほか、ヘビーデューティな収納ケースとしてお馴染みの「ペリカン」を載せる人もおり、箱は愛車をラギッドな雰囲気にするのに欠かせないアイテムになりつつあります。
そんななか、アメリカから注目のブランドが上陸しました。それが「ROAM」。
“放浪”という名のブランドが出しているのは、ハードルックなボックス。まるで軍用に使われていそうですが、防水・防塵性能という点ではまさしくミリタリースペックを持っています。
蓋を開けてみると、外部と内部は5cmほど隔たれているのが分かります。弾力性がある樹脂と空気層によって、優れた衝撃吸収性と断熱性を実現。
また、蓋の内側にゴムパッキングが装着されており、砂漠などの細かい埃をシャットアウトすることができます。
さらに一般的なコンテナボックスにない特徴が、オーガナイザー。ペリカン製品ではお馴染みですが、蓋の内側にポケットを備えることで、レジャーアイテムや旅行グッズなどを収納するのに便利です。
またオプションで「MOLEパネル」が用意されており、米軍などで採用されているMOLEシステムのさまざまな装備品を取り付けることも可能です。
ボックスのバリエーションは実に豊富で、大きさ、形状、用途は多岐に渡ります。
ボックスだけでなく、クーラーボックスやトローリーも用意。さらには同じような見た目を持った、ルーフテントも用意されているので、オーバーランダーカスタムをする時に、トータルコーディネイトが可能です。
ROAMの最大の特徴ともいえるのが、ルーフラックに装着するためのベルト孔が初めから付いていること。
通常、コンテナボックスをルーフ上に載せる場合、ボックスの上からベルトやネットをかけます。
そのため、一度載せてしまうと、なかの荷物が取り出せません。ROAMのボックスは、蓋を除けてベルト装着ができるよう配慮されているので、屋根に積んだまま荷物の出し入れができ、ルーフボックスのように使える利便性を持っています。
価格は少々高めで、タイプによってはルーフボックスなみのものもありますが、性能は機能、そして何よりもそのデザインの良さを考えると決して高額すぎるということはない気がします。
超ヘビーデューティなボックスが、これからオフロード系カスタムの定番アイテムになることは間違いなさそうです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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