“新車”購入方法多すぎ!? 「現金」「ローン」「残クレ」「サブスク」どれがいい? それぞれの“メリット・デメリット”とは

「残価クレジット」は長距離使用や事故に注意!

 残価設定ローン(クレジット)とは、ローン終了時に残っていると想定されるクルマの価値(残価)をあらかじめ新車時価格から差し引いた金額をローンで支払っていき、支払いの最終回で残価の精算をするというしくみです。

 残価の精算方法は、主に3つあります。新車に乗り換えるか、残価を支払ってクルマを買い取るか、クルマを自動車ディーラーへ返却するかです。

 残価設定ローンのメリットは、短期間でお得に新車を乗り継ぐことができること、また、新車価格まるまるローンを組むのが難しい価格帯のクルマに乗れることなどが挙げられます。

 常に最新のクルマに乗りたいけれど、毎回購入と売却を繰り返すのは手間だし希望する金額で売却できないリスクもあるという人、また、憧れのクルマに乗りたいけれどローンの頭金を用意するのが難しいという人などは、所有期間があらかじめ決められており、なおかつ支払う金額は自分が使用する分だけで済むため、残価設定ローンを選ぶメリットがあるといえます。

 一方で、残価設定ローンならではの注意点もあります。それは、月々の走行距離に制限があること、また事故等によりクルマに損傷が生じた場合、残価の精算時に追加負担が生じること、金利手数料が通常の自動車ローンと比較して高いことなどです。

 長距離の使用が多い人や、事故のリスクが心配な人などは、残価設定ローンでの購入はデメリットを被る可能性が高いといえます。

新型「プリウス」を含むトヨタ車ではサブスクサービス「KINTO」も選択可能
新型「プリウス」を含むトヨタ車ではサブスクサービス「KINTO」も選択可能

「サブスク」はコストが明確だが注意点も!

 クルマの購入代金と、維持にかかる諸経費をまとめて定額払いにできるサブスクリプションサービス(サブスク)が近年登場し人気を博しています。代表的なサービスとして、トヨタが提供する「KINTO」が知られています。

 ユーザーが月々支払う料金には、車両本体価格に加え故障時の修理費用や自動車税、任意保険料、車検費用、登録諸費用等がすべて含まれています。

 通常、クルマを購入して維持していくなかで、任意保険の継続・更新といった手続きを面倒と感じたり、車検費用・自動車税など、一度にまとめて来る大きな出費を負担に感じたりする人も少なくないはずです。

 しかし、多くのサブスクでは、クルマに関わるすべての手続きをサービス事業者が行い、その費用をユーザーが直接負担することはありません。契約終了時には、新たな車種に乗り換えるか、それまで使用したクルマを再契約するか、クルマを返却するかの3つから選択することになります。

 クルマの購入は初めてで、購入後の維持に不安があるという人には、月々にかかるコストが明確であり、サポート窓口が一本化されているサブスクを利用するメリットがあるといえるでしょう。

 しかし、なんでもおまかせできて安心というイメージだけで、サービス内容をよく確認せずに契約してしまわないように注意が必要です。

 特に注意したいのが、走行距離制限と事故時の対応です。

例えば「KINTO」では、月間走行距離が1500kmに設定されており、契約終了時に制限距離を超過していた場合には、距離あたりの追加料金が発生します(料金は車種によって異なります)。毎日遠距離通勤していたり、長距離ドライブによく出かけたりする方は、通常のローンで購入するよりも結果的にトータルコストが上がってしまうリスクがあります。

 また、任意保険は必ず「車両保険あり」で契約しておかないと、万が一事故が起きてしまった際、車両の修理費用については自費で負担しなければならない可能性があります。月々のコストを抑えるために、必要な補償を削ってしまわぬよう注意が必要です。

 さらに、サブスクはクルマに関わる手続きをすべてサービス事業者がおこなうため、クルマを現金やローンで購入する場合に比べ、手数料の分だけトータルコストは高くなります。クルマの使用期間中、特に大きなトラブルや故障など起きることがなく、車検時に消耗品の交換なども少なく済んだ場合には、結果的に割高に感じた人もいるのかもしれません。

 サブスクはクルマを自分で購入するわけではなく、使用料を払いながら一定期間借りるというサービスです。クルマを買って維持していく自信がないけれど、クルマを使いたいときに毎回レンタカーやカーシェアを使うのは面倒という人にマッチした買い方といえるでしょう。

※ ※ ※

 かつてはクルマの購入方法といえば現金一括かローンの二択でしたが、金融商品やサービスの拡大により、現在ではあらゆる選択肢が用意されています。ただし、それぞれメリット・デメリットがあることに気をつけなくてはなりません。

 後々後悔しないためにも、自分のライフスタイルに照らし合わせて、納得のいく買い方を見つけてみてください。

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