「車中泊」も可能なコンパクトミニバン!? デビュー6年の「フリード」がライバル刷新後も支持される3つの理由とは
絶妙な価格設定や納期の面でもライバルに勝る「フリード」
クルマとしての魅力もライバルの新型シエンタに引けを取らないものとなっているフリードですが、ふたつ目の重要な要素として、価格設定の絶妙さも挙げられます。
現在のフリードのラインナップは装備充実の「G」系と、アウトドアスタイルのクロスオーバー風加飾をまとった「クロスター」系、そしてコンプリートカーの「Modulo X」という3グレード展開(以前あったエントリーグレードの「B」は廃止)。
加えて、2022年6月におこなわれた一部改良の際に、「G」系をベースに内外装にブラックのアクセントを追加した特別仕様車の「BLACK STYLE」も新たにラインナップされています。
装備も充実している「BLACK STYLE」のハイブリッドモデルの価格は、7人乗り仕様で272万1400円。
対する新型シエンタのハイブリッドモデル「HYBRID Z」は291万円と、およそ20万円の価格差があります。
さらにフリードはモデル末期ということで値引き額も期待できることから、ナビなどを含めた支払総額でもフリードの方が有利になるケースが多く、価格にシビアなファミリー層からも支持を集めているといえるでしょう。
そしてここ数年、半導体不足や海外からの部品調達の遅れにともなう納期遅れが深刻化するなかで、フリードは比較的早い納期となっている点も3つ目の大きな要素となります。
トヨタやホンダは、各社の公式サイト上で「工場出荷時期目処」を公開しています。
そこで新型シエンタは「詳しくは販売店にお問い合わせください」とだけ記載があり、長納期化が進んでいる様子が伝わりますが、そもそも一部の仕様は発売が遅れ、2023年4月以降の生産予定となっています。
なお一部のトヨタ販売店では自社の公式サイト上で納期目安を紹介していますが、早いものでガソリン車が3か月以上、ハイブリッド車では半年から1年以上とあり、仕様やグレードによって納期もまちまちである様子がうかがえます。
これに対しフリードは、一部の販売店では即納可能な在庫があるほか、新規発注でも仕様によっては2か月程度で納車が可能となっている点も、クルマがすぐに必要となったユーザーにとって大きなアドバンテージとなっていることは間違いありません。
このようにクルマ本来の魅力に加えて、価格や納期といった要因も人気を後押ししているフリードは、ユーザーはもとより、世界情勢の影響などもあって売りたくてもクルマを売ることができない販売会社にとってもありがたい存在となっているようです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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