なぜ「暴走族」への苦情が増えた? 10代や女性も増加傾向に! 複雑な背景と対策はいかに
いまや暴走族は、絶滅危惧種と思われていましたが、2022年は都市圏の通報が増加しているといいます。千葉、福岡、熊本、神奈川で増加の理由や、暴走族の現状(グループ数や構成員数などの推移)はどうなっているのでしょうか。
共同危険型は女性が増加。違法競走型は参加車両台数大幅増
例年、年末年始は走り納めや走り初め、初日の出暴走など、暴走族の活動が活発になります。
活動がピークだった時代に比べると現在はグループ数も10分の1以下にまで激減し、暴走族チームどうしの抗争も少なくなりました。
ピークだったのは昭和50年代で、当時は全国に4万人以上の暴走族構成員が存在しており、全国で年間4000回以上の集団暴走行為がおこなわれていました。
昭和53年に共同危険行為等禁止規定が道交法に新設され罰則が厳しくなったことも暴走族の減少に大きく貢献したといえます。
その一方、グループ未加入者の割合にも注目です。
昭和50年代にはほとんど存在していなかったグループ未加入者は近年8割を超えるまでになりました。
50台〜100台レベルの規律の厳しい大所帯ではなく、気の合う仲間と数台規模でゲリラ的に暴走行為をおこなうという、このような傾向が近年は一般的です。
もはやかつての暴走族は「絶滅危惧種」と揶揄されるまでになりました。
しかし、実は近年、暴走行為に対する110番通報や苦情が急増している実情が明らかになっています。
それを裏付ける警察のデータもあり、令和4年版の警察白書では平成29年から令和3年までの5年間における暴走族のグループ数や総人員のデータが公開されています。
グループ数はこの5年間で170から110と減っていますが、「い集・走行回数(回)」は212から235と増加。
平成30年には1865台まで落ちていた参加台数も、令和3年は2600台にまで増加しています。
総人員数も令和2年4505人か、令和3年4679人とやや増加しており、とくに近年はずっと200人以下で推移していた女性構成員の数が平成28年からの5年間で最高の232人を記録しました。
神奈川、千葉、福岡、熊本などでは騒音苦情が増加しており、千葉では東京ディズニーリゾート周辺で2022年1月-3月末までの騒音に関する通報が70件と前年同期に比べて46件増加。
さらに、熊本では同年1月-7月の騒音苦情が前年同期から約3割増加しています。
コロナ禍で学校が休みになりヒマだから暴走に参加したという若者も少なくありません。
また、同時にコロナ禍で外出が減り、自宅にいる時間が増えた人々がこれまで気づかなかった騒音に気づくようになったことも110番通報が増えた理由の一つといえそうです。
さらに、暴走族との違いが明確に定義されにくい「旧車會」の活動が活発化していることも騒音苦情の増加に関わっていると考えられます。
旧車會は全般的に平均年齢が高め(40代以上)ですが、なかには10代-20代の若者たちが参加してくることもあるそうです。
活動内容も限りなく暴走族に近いスタイルで暴走を行い検挙されているグループもあれば、単にちょっと音が大きい旧車バイクが好きな中高年層のグループの場合もあります。
騒音だけでは共同危険行為には相当せず、取り締まりがしにくい実情もあります。
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このような行為は、道路交通法第68条で定められた「共同危険行為」となります。
●共同危険行為等の禁止( 道路交通法第68条)
「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。」
・罰則:2年以下の懲役又は50万円以下の罰金
・違反点:25点
また、違反すれば免許取消などの処分が課せられます。
車が可愛そうw
旧車会のジジババ、全員が一度に右折するために交差点閉鎖とかしやがるからな。
やってることが暴走族のころと同じって。恥を知って欲しい。