ガス欠で「航続可能距離0km」表示!? 絶望的状況でもまだ走れるのか? 燃料残量の実態とは

昨今のクルマは、航続可能距離計をメーター内に表示するものがあり、あとどれだけ走れるか確認することができます。この航続可能距離が0kmを示したとき、クルマは即座に停まってしまうのでしょうか。

航続可能距離が「0km」や「―」で大ピンチ!?

 クルマを運転しているとき、燃料のガソリン(ディーゼル車では軽油)が減ってくると、メーター内に燃料残量の警告灯が点灯して給油を促す仕掛けがあります。

 警告灯点灯時点の燃料残量は車種により異なりますが5Lから10Lほどが一般的。車体が小さな車種に比べて大きな車種ほど燃料タンクも大きく、また燃費が悪くなりがちなので走れる距離を残すために点灯時の燃料残量は多めとなる傾向です。

 「航続可能距離0km」になるともう走れない?
「航続可能距離0km」になるともう走れない?

 そして昨今は、多くの新車は航続可能距離計を備えています。燃料残量と燃費から計算し、いま残っている燃料がなくなるまでにどれだけの距離を走れるかの目安を表示するものです。これを頼りに、ガソリンスタンドへ行くタイミングを決める人もいるのではないでしょうか。

 燃料残量警告灯がついた時点での航続可能距離は、燃費が極端に悪い状況でない限り、50km以上を示します。しかし、その先もしばらく走り続けると航続可能距離も減り「0」もしくは「―」となり、焦った経験があるという人もいるかもしれません。

 気になるのは、航続可能距離計は「0」や「―」を示した段階で、タンクにはどの程度の燃料が残っているのかということです。

 結論からいえば、航続可能距離計が0kmになったとしてもすぐに走れなくなるわけではありません。もちろん、できるだけ早く給油する必要こそあるものの、パニックになるほどの心配はないのです。

 一般的にその状態での燃料残量を公表している自動車メーカーはありません。そんななか、ヒントを公式ウェブサイトで公開しているのがトヨタ自動車です。

 トヨタ自動車の公式サイト内「よくある質問」には「一概には言えませんが、目安として燃料タンク容量の約10%です」という記載があります。

 これについてトヨタ自動車広報部に話を聞いたところ「車種により異なるので一概には言えませんが、おおむね燃料タンク容量の10~15%程度です」といいます。

 仮に10%だとすると、トヨタ「ヤリス」は3.6Lから4.2L、トヨタ「アルファード」は6.5Lから7.5Lほどの燃料が残っていると考えられます(同じ車種でもパワートレインなど仕様により燃料タンク容量が異なる)。

 どちらも数10kmは走れる燃料残量となるので「意外に多く残っている」と感じる人も多いのではないでしょうか。

 もちろん、それだけの燃料が残っている理由のひとつは安全マージンを考えているからです。航続可能距離が0kmになったからといって、クルマが突然止まらないように考えられているといい換えてもいいでしょう。

 しかし、理由はそれだけではありません。実はタンク内の燃料が減ると、燃料が残っていたとしても車体の傾きや旋回中の横Gなどによって燃料がきちんと吸えずにガス欠症状が起きることがあります。設計上それが起きない燃料残量が、航続可能距離が0kmになるのとほぼ同じレベルという理由も大きいのです。

 航続可能距離計が「0」や「―」になってもすぐに止まるわけではないが、その後は燃料が残っていてもガス欠症状が起きる可能性がある。それが結論です。

 だから、「まだ走れるから」といって楽観視するのは禁物。航続可能距離計が0kmや「―」を示す前に、ガソリン残量警告灯がついたらできるだけ早く、余裕をもって給油するよう心がけましょう。

 とくに冬の降雪地や渋滞が発生しやすい状況、年末年始では、予期せぬ通行止めや混雑、ガソリンスタンドが休業していることも念頭に置き、燃料計が半分を下回る前に早めに給油することをおススメします。

 また、ディーゼル車はガス欠を起こすと燃料ラインに空気が入ってしまい、それを抜く「エア抜き」という作業が必要なこともあります(マツダなどその対策をしているディーゼル車も存在)。ディーゼル車のオーナーはこちらも合わせて覚えておきましょう。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーと/マツダ CX-60/ホンダ S660。

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コメント

2件のコメント

  1. 日々視聴させて下ります 興味有る話をup有難うございます
    他の方のコメント読むのはどうすれば良いのですか?

  2. 警告ランプを光らせたことがないので限界は分かりません。メーターの下限で27~28リッターくらい入るのでタンク容量35リッターだから7リッターがマージンですね。

    あと、燃料の残量がデジタル表示って分かり難いのでは?と思うのですが、どうなんでしょうね。
    付属の写真を見ると給油口からタンクへ伸びるパイプがやたらと細いですが、うちの軽バンは給油口からパイプの見えるところまで太いので給油ガンのノズルが奥まで(給油口にゴムパッキンが当たるまで)入ります。
    マツダ・フレア(スズキ:ワゴンRのOEM)を代車で借りたとき、写真のような構造で給油口からすぐ曲がっておりノズル先端しか刺さらずトリガを全開で握ってたら勢いよく吹き出しました。てっきり自動で止まるものだと思ってたので意外。もしくはもっと強くぶっ挿せば良かったのか。
    メーカーは給油ガンのゴム部分までノズルが突き刺さる構造にしないのか。給油機メーカーが悪いのか。そして、相互の意思疎通がなされていないのか。給油機にも寄りますがノズルの太さの違いもありますよね。(メーカーに問い合わせて記事書いてくださいアピール)

    自分は車の最大航続距離が多い(タンク容量が多い=給油回数が少ない)車を好むので、今回はエブリィにしました。今まで乗った車では最大の37L。
    ハイゼットカーゴは38L。N-VANは27L(4WDは25L)で、N-VANがやや不利と思われますが低燃費で容量不足をカバーしているのだとか。

    単純にタンク容量だけの数字なのか、それともタンクから給油口までのパイプ内の容量も含めてなのか。
    (これも記事ネタとしてどうでしょう?。)