もはや懐かしい! 「ミラーが遠い」!? 窓も手動!? バブル期後に“消滅”した装備品3選
1986年から続いたバブル景気の頃は、高級車やスポーツカーはもちろん、ファミリーカーや、コンパクトカーも1970年代末頃のクルマと比較してより一層装備が豪華になり、進化していきました。その代わりに要らなくなった装備は、現代ではすっかり見られなくなりました。今回はそんなバブル期に消滅した装備たちを紹介します。
懐かしい! 今は少なくなったクルマの装備3選
1986年から続いたバブル景気の頃は、高級車やスポーツカーはもちろん、ファミリーカーや、コンパクトカーもそれまでの時代のクルマと比較して、より一層贅沢になりました。
その贅沢がいつのまにか普通になり、現代のクルマには基本的な装備になり便利になった反面、その代わりに消滅していった装備もあります。
人によっては懐かしく、そして人によっては「初めて見る」と新鮮に感じる、そんな現代のクルマには少なくなった装備品を紹介します。
ドアガラスレギュレータハンドル
現在では、「パワーウィンドウ」という名前をわざわざ聞く機会すらなくなっているほど、自動で窓が昇降するパワーウィンドウが当然の装備になっています。
パワーウィンドウの普及により減少したのが、手動開閉式ドアガラスのレギュレーターハンドルです。
レギュレーターハンドルはドアガラスを開けるときに操作する棒状の部品であり、各ドアの内側に装着されています。
ドアガラスを開けるときにはこのハンドルをクルマの進行方向に向かってくるくる回転させ、閉めるときには後ろの方向に向かって回転させます。
手動式なので、モーターやスイッチ、配線などの装置が不要です。
もちろん、イグニッションスイッチを切っていてもドアガラスを開閉可能。
そのため、エンジンを停止させた後や、万一の事故や水害の場合にもドアガラスを開閉出来るほか、故障する部品も少なくて済むことが特徴です。
しかし、運転席から他の席のドアガラスをリモートで操作出来ないことや、助手席や後席に座らせた子供が勝手にドアガラスを開けることを防げないなど、不都合なところもありました。
また、パワーウィンドウが本格的に普及する直前の時期には、後付けのパワーウィンドウキットもありました。
フェンダーミラー
フェンダーミラーとは、ボンネット両側のフロントフェンダーに、まるでキノコのように装着されたミラー。現代のドアミラーと同様の役目で、ドライバーが自車の斜め後方を確認するための装備です。
現在ではタクシー車両でしか見られなくなってしまいましたが、日本ではドアミラーは1980年代前半まで禁止されており、全てのクルマがフェンダーミラーでした。
ドアミラー認可後、各車はマイナーチェンジやフルモデルチェンジを機にドアミラー化を進めたため、フェンダーミラーはバブル期を境にほとんどの新車には装着されなくなっていきました。
フェンダーミラーもドアミラーも一長一短あり、当時はいろいろ議論になりました。
フェンダーミラーは、ドアミラーと比較すると写る像が小さくなってしまう反面、ドライバーが斜め後方を確認する際に首を振る角度が小さくて済む利点があります。
さらにドアミラー車では、実質的な車幅が広くなってしまう問題もありました。
そんなことから、ドアミラー認可当初は自動車雑誌やテレビのワイドショーなどで、「どちらのミラーが理想的であるか」について真剣な激論が交わされたそうです。
ミラーが変化する期間の措置として、ドアミラー認可後もメーカーはフェンダーミラーをオプション設定しました。
一方で、ドアミラー認可後には既存のフェンダーミラー車に装着する「後付けドアミラーとフェンダーの穴埋めカバーキット」も、アフターパーツとして発売されて大ヒットしました。
余談ですが、ドライバーから遠い位置にあるフェンダーミラーでは鏡面角度を切り替える電動調整式のリモコンが普及しましたが、当初のドアミラーでは室内側に出ているスティックを操作し、鏡面角度を変えるものも多数ありました。
しかし、リモコンに慣れたユーザーには面倒に映ったのか、室内に近いドアミラー車もすぐにリモコン化されてしまいました。
また、当初はドアミラー本体がものにぶつかった際にドアミラーが倒れ、その後ばねの力で自動復旧するタイプが主流でしたが、その後可倒式が主流となって現在に至ります。
そんな数々の変遷や激論があったドアミラーも、現在では、一部の先進的な車両では鏡に代わり、カメラと後方モニターを組み合わせたものが採用されており、今後これらに置き換えられていくかもしれません。
昔のスーパーカーやスポーツカーってライトがウィーン!て飛び出すものがあったけど、最近の車でそういうのあるかな。