なぜバスの座席は「青」が多い? ネット検索は「青色」ばかり… 利用者に配慮された車内ルールとは
人々の生活を支える公共交通機関のひとつである路線バスですが、車内に設置されている座席は青色のものを見かけることが多くあります。なぜ路線バスの座席は青色が多いのでしょうか。
路線バスの座席に青色が多い理由は?
路線バスは人々の生活を大きく支える交通手段のひとつといっても過言ではありません。
そうしたなかで、車内の座席は青色のものを見かけることが多くあります。なぜ路線バスの座席は青色が多いのでしょうか。
日本バス協会が2021年度に公表した「日本のバス事業」によると、2021年度のバス年間利用者数は45億3300万人となっています。
そんな多くの人が利用する路線バスの車内といえば、椅子が並び天井からはつり革がぶら下がっています。また、走行中に捕まるポールなどには降車ボタンが備わっています。
では、ここで路線バスの車内を思い浮かべてください。そうすうと多くの人が青い座席が印象に残るかもしれません。
実際にGoogleで「路線バス 車内」と検索するとそのほとんどが青い座席の写真が出てきますが、なぜ路線バスの座席に青色が採用されるのでしょうか。
国土交通省の担当者は「バスの室内色彩はルールに則って決められています」と話しています。
それは「誰でも安全に利用しやすいノンステップバスの普及」を推進するために、国土交通省が2004年に定めた「標準仕様ノンステップバスの認定制度」です。
この「標準仕様ノンステップバス認定要領」は、2015年に一部改定され、座席の色、厳密には室内色彩もその項目に含まれています。
そこには「座席、縦握り棒、通路及び注意箇所などは高齢者や視覚障害者にもわかりやすい配色とする」と記されています。
くわえて「高齢者および色覚障害者でも見えるよう、縦握り棒、押しボタンなど、明示させたい部分には朱色または黄赤を用いる」とされており、バスの室内の色はわかりやすいものである必要があることがわかります。
また「天井、床、壁面など、これらの背景となる部分は座席、縦握り棒、通路及び注意箇所などに対して十分な明度差をつける」とも表記されています。
これにより、手すりやボタンなどが「朱色」に指定されると、必然的に十分な明度差が付けられる「青」が選択肢として絞られます。
つまり、どのような人でも手すりや壁、床や天井などを明確に視認することができるように「朱色」に設定した結果、座席の色が青色になっているということがわかります。
また首都圏のバス会社の担当者は、座席の色に青が用いられている理由について「手すりや壁の色の違いを明確にするためです。既定の室内色彩に適応するために、青色の座席が採用されているケースが多いのではないかと思います」といいます。
路線バスの座席に対して特定の色を明確に指定するルールはないものの、利用者がより快適に乗車するために考えられた配色にするための結果だといえます。
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さらに、路線バスの座席は青色が多いだけでなく、柄が入っているものが大半です。
その理由について前出のバス会社の担当者は「室内空間を明るくする目的にくわえ、汚れを目立たせないためです」と話します。
人々の生活を支える路線バスですが、何気ない座席の色や柄には実は、利用者が快適に利用できるようなルールが存在していたのです。
色とか柄はそんな理由ではないですよ。
バスシートメーカーが1社しかなく、
同じ表皮(標準品)であれば安いからです。