後を絶たない「飲酒運転」なぜなくならない? 飲酒運転常習犯が語る「主張」とは

なかには飲酒運転「常習犯」の人も

 このほか筆者(元警察官はる)が過去警察官として交通取り締まりをおこなっていた際、飲酒運転の「常習犯」もいました。

飲酒運転「常習犯」の主張とは
飲酒運転「常習犯」の主張とは

 実際に交通取り締まりをおこなったドライバーを思い返すと、毎日晩酌するなどお酒を日常的に飲んでいる人が多かったように思います。

 理由については、はたから見るとフラフラ運転なのにも関わらず「自分ではきちんと運転しているつもりだった」「今までに事故を起こしたことがないので大丈夫だと思っていた」「飲酒運転のニュースを見ても他人事だと思っていた」など、安易な考えを持って主張をしている人が多かったと感じています。

 たまたま事故を起こさなかったか、警察に捕まったことがなかったというだけで「自分は大丈夫だろう」と甘い認識で運転をおこなっていたほか、どうしても飲酒がやめられずにクルマを運転するというケースも見られました。

 自分の意思で飲酒をやめられなかったり、飲む量やタイミングをコントロールできない場合にはアルコール依存症である可能性が考えられるため、病院で診察を受け、適切な治療を受けなければいけません。

 飲酒者本人が疾患に気づかないことも多いので、家族や同僚など周囲の人が様子を気にかけることも必要といえるでしょう。

※ ※ ※

 そもそもアルコールには、少量でも脳の機能を麻痺させる作用があり、知覚や運動能力を司る部分が抑制され、たとえば同じ話を繰り返したり、足もとがふらついたりなどの影響があります。

 つまり、アルコールを摂取することで情報処理能力や注意力、判断力が大いに低下するということです。

 このため、飲酒した状態で運転をすることで、車間距離の判断を誤ったり、歩行者やまわりの車両、建物などに気づくのが遅れたり、それらに気づいてもブレーキを踏むまでの時間が長くなるなどして死亡・重傷事故につながるおそれがあります。

 筆者(元警察官はる)が実際に交通取り締まりをしていた際、深夜に飲酒運転をしたクルマがあちこちのブロック塀に衝突しながら、最終的に民家に突っ込むという事故が発生したこともありました。

 その時は幸い住民に怪我はなかったものの、住民が寝ていた場所次第ではどうなっていたか分かりません。このように、飲酒運転は人の命を奪う可能性がある危険行為なのです。

 飲酒運転は最悪の場合死亡事故につながる危険性があることを理解し、飲酒する機会があれば「飲酒運転をしない・させない」という意識をもつことが非常に大切です。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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