山間部で見かける「落石注意」に2つの意味が存在! 「落ちている石」だけじゃない注意すべき「もうひとつの意味」
山間部で見かける「落石注意」にはじつはふたつの意味があります。これにはどういった意味があるのでしょうか。
山間部で見かける「落石注意」の意味は
山沿いの道路などを走っていると見かける「落石注意」の道路標識ですが、どんな意味があるのでしょうか。
また、この標識のある場所ではどういったことに注意すればいいのでしょうか。
落石注意の道路標識は、正式には「落石のおそれあり」といい、道路標識のなかの警戒標識のひとつです。
警戒標識は黄色いひし形の標識で、「落石のおそれあり」のほかにも「踏切あり」や「信号機あり」「動物が飛び出すおそれあり」などの種類があります。
「落石のおそれあり」の標識は、「この先に路側より落石のおそれがあるため車両の運転上注意が必要である」ことを意味しており、注意が必要である地点の手前30メートルから200メートルの地点に表示されています。
このため、道路標識がある場所だけでなく、その先しばらくは落石に注意・警戒することが必要です。
落石に注意が必要なのは山道のほか、大雨や土砂災害で緩くなった場所や、工事中の斜面などが考えられます。
国土交通省によれば、この標識があらわす「落石」にはすでに「落ちている石」の意味のほか、「落ちてくる石」とというふたつの意味があり、どちらか一方のみに対して注意すればいいわけではないといいます。
つまり、この標識のある場所では、路側の山や崖などから転がり落ちてくる石への注意と、道路上にすでに落ちて転がっている石のどちらにも注意して走行しなければならないということです。
落ちてくる石がクルマにぶつかると、クルマにキズがついたりへこんでしまったりなど損傷する可能性があるほか、落ちてきた石の大きさによっては、衝突するとクルマが車線の外に押し出されて、反対側が崖になっている場合には崖下へ落ちてしまう危険性もあります。
ほかにも、道路上に石が落ちている場合、石が小さくても踏んでしまうとタイヤがパンクする可能性があり、とくに高速道路などスピードが出ている状況では、たとえ落石に気づいても、瞬時に判断して安全に避けることは簡単ではありません。
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過去には、実際に高速道路で落石を踏んでパンクしてしまった事例があります。
NEXCO西日本の管轄する高松自動車道では、過去2015年に切土のり面からの落石に2台のクルマが乗り上げてパンクするという事故があったといいます。
この事故では人身事故にはなりませんでしたが、高速道路でパンクすれば、クルマがコントロールを失い大きな事故に発展する危険もあります。
さらに2016年には島根県の県道で、道路沿いの斜面からの落石に軽自動車が巻き込まれ、助手席に乗車していた人が亡くなったという事故もありました。
「落石」とはいうものの、大きさが数センチ程度の小石から、場所によっては数十センチや1メートルを超える岩が落ちてくる可能性もあります。
過去の落石による事故を踏まえて、国や都道府県などの道路管理者による点検や整備が進められていますが、落石を完全に予測したり防いだりすることは困難です。
山沿いなどの道路を走行中に「落石のおそれあり」の道路標識を見つけたら、山側はもちろん路面にも注意しながら、不必要に停車や減速することなく通り抜けるようにしましょう。
他に倒木注意も見たことあるけど、冠水注意の標識もあるらしいが見たことがないですね。去年の豪雨災害では彼方此方が冠水や道路がえぐられるなどで通行できなくなりましたので、併せて土石流注意の看板も欲しいところ。