59年ぶり「東京モーターショー」改め「ジャパンモビリティショー」に! どんなショーに変貌? 2023年10月開催へ
コンセプトは『「日本の未来」を体感できるショー』
ジャパンモビリティショー2023のコンセプトは、「モビリティ産業がペースメーカーとなり、スタートアップ、他産業も一緒に多くのお客様に『未来の日本』を体感いただく場」です。
未来の生活がより身近に感じられるような「FUTURE MALL(フューチャー・モール)」を中心に、音楽系イベントを含むエンタメ系コンテンツ、キッズコンテンツ、次世代モビリティ、そして東京オートサロンやIT系のCEATECなどと各種団体とのコラボも充実させます。
こうして生まれ変わる東京モーターショーですが、世界的にみるとモーターショーというビジネスモデルが大きな転換期を迎えているのも事実です。
海外のモーターショーでは、開催内容を変えても参加企業が激減するなどして規模を縮小したり、スイス・ジュネーブショーのように金銭面から開催を中止する事態も起きています。
また一時は活況を呈していた、ITや家電の世界最大級見本市である米国・ラスベガス開催の「CES」も、最近は自動車関連産業の関わりかたも少し熱が冷めた印象があります。
自工会では、こうした海外のモーターショーが衰退した理由をどう分析し、その知見をジャパンモビリティショーにどのように活かしていくのでしょうか。
これに対して、自工会は以下の見解を示します。
「各社によるBEV(電気自動車)のプレゼン合戦のような、自動車メーカーが何を展示したいかという思いが強過ぎて、入場者の皆さんの期待に応えなくなっていました」
一方でカスタムカーの大型イベントである東京オートサロンが多くの集客を集めていることに対してはこう説明します。
「エキサイティングな内容であり、東京モーターショーのあり方について、我々としても反省するべき点が多かったと考えます。
そのため先回(2019年)から、来場者が何を観たいのか、何に期待して来場しているのかという観点を重視した結果、新たなスタート地点に着いたと思っています」
その上で、新生ジャパンモビリティショーでは、誰もが楽しめる内容を盛りだくさんに用意するため、準備を進めているといいます。
※ ※ ※
もう1点、興味深い話があがりました。ショーを使った新車販売についてです。
これまでも東南アジアのモーターショーなどでは、ショー会場で新車の商談をするシステムがおこなわれていましたが、日本ではこれまで全国のディーラー網の商圏(テリトリー制)などが壁となり、実現が難しいとされていました。
今後新車のオンライン販売の拡大も見込めるなか、自工会としての考え方について筆者(桃田健史)が聞いてみたところ、次のような回答が得られました。
「実は(そうしたシステム導入について)自工会の参加各社の間で議論中です。
ショーのスペースで(商談をおこなうことが)良いのか、またはショーで実車を見学して(その後オンライン上などで)購入予約をして頂くことがよいのかなど、検討中です」
様々な点で新たな試みが始まりそうな、新生ジャパンモビリティショー2023の開催を大いに期待したいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
2021年のモーターショーから、当日の入場者数が発表されなくなりました。
この点について、自動車評論家と呼ばれる方々は、どなたも指摘していません。
個人的にも自工会に問い合わせてみましたが、胡散臭い回答で到底納得出来る内容ではありませんでした。
具体的数値も示さずに、来場者数が100万人を超えたとかアナウンスすること自体、おかしいと思います。