燃料は「ミドリムシ」!? マツダが2023年シーズンにS耐参戦の「Mazda3」レーシングマシンを初公開
マツダは2022年11月5日から6日に開催された自社のファンイベントで、2023年シーズンにスーパー耐久レースに参戦する「走る実験室」の新マシン「マツダ3バイオコンセプト」を初公開しました
市販版「MAZDA3」にはない2.2リッターディーゼルを搭載
スーパー耐久シリーズ2022に参戦中のマツダが、2023シーズンを見越した新しいマシン「マツダスピリットレーシング マツダ3バイオコンセプト」を岡山国際サーキットで世界初公開しました。
これは「マツダ・ファン・フェスタ2022 イン岡山」(2022年11月5日から6日まで開催)でのひとコマです。どのようなマシンなのでしょうか。
今回のテーマのひとつが、2022年4月に活動を開始した「倶楽部マツダ スピットレーシング」であり、マツダスピリットレーシングの主要な活動が、スーパー耐久シリーズ参戦によるバイオディーゼル燃料車の開発になります。
そのため、マツダとしては新型レースマシンを、マツダのファンにいち早くお披露目しようと、ここを世界初公開の場として選んだということです。
実車の周りには、マツダファンが集まり「おお、ついに出たか!」とか「マツダ3らしさが強調されていて、本当にかっこいい」といった声が聞かれました。
ボディ寸法、エンジンの出力など詳しいスペックに関しては公開されていませんでしたので、同車のエンジン開発の関係者に直接話を聞きました。
それによると、マツダ3のレーシングマシン用エンジンは2.2リッターのハイパワーな「SKYACTIV-D」が搭載されています。量産型の「マツダ3」はファストバック(5ドアハッチバック)も4ドアセダンも、ディーゼルエンジン車のSKYACTIV-Dは1.8リッター版の搭載です。
そのほかのエンジンラインアップは、1.5リッターガソリン「SKYACTIV-G」と、ハイブリッド車「e-SKYACTIV-G」と「e-SKYACTIV-X」となりますので、量産モデルには存在しないレース専用のパッケージということになります。
また同クラスの「CX-30」など、マツダがいうスモール商品群でもSKYACTIV-D 2.2は搭載されていません。SKYACTIV-D 2.2は「CX-5」など、よりボディサイズが大きなモデル向けという設定になっています。
最高出力や最大馬力についての細かい数字については未公開とのことですが、今シーズンフル参戦で使用している「マツダスピリットレーシング マツダ2バイオコンセプト」と同じく、ユーグレナ社製のバイオディーゼル燃料100%での開発が順調に進んでいることを明らかにしました。
ユーグレナ社製のバイオディーゼル燃料は、使用済みの食用油と微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)から抽出されたユーグレナ油脂をベースにしています。
燃料としては化学合成されて軽油と同じであるため、今回の新型マシンでもノーマルエンジンでの基本性能をベースとして、レース仕様としてさらなる改良を進めている段階です。
ミッションについては、様々な仕様を検討中とのことですが、基本的にはマニュアルトランスミッションとなり、オートマチックトランスミッションやデュアルクラッチ式変速機(DST)などの採用はない模様です。
サスペンションなどについてはノーマルを基本としていますが、マツダ本社が手がけるいわゆる「ワークスマシン」扱いですから、バネやショックアブソーバーなどはもちろんのこと、レース仕様として様々な改良が施されているようです。
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