どんなに乗っても「バス料金タダ!?」 千葉・松戸市の地域交通が画期的! 無料乗車を可能とする仕組みとは
千葉県松戸市で運行が開始されたグリーンスローモビリティは、料金無料で利用できるといいます。一体なぜなのでしょうか。
バス料金が無料になるのはナゼ?
千葉県松戸市で、なんと料金無料の小型電動バスの正式運行が2022年10月に始まりました。
これは、グリーンスローモビリティ(通称グリスロ)を使った地域交通ですが、そういわれても「グリスロって何?」と思う人が少なくないでしょう。
グリスロとは、国土交通省によると「時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスで、その車両を含めた総称」と定義されています。
すでにグリスロは全国各地で走っていますが使用目的はさまざまです。
例えば、道が狭くて普通のクルマでは通り抜けが難しいような場所にある観光地での移動や、または高齢化が進む地域で普段の買い物などで不便を感じている人たちのための移動手段としてなど、地域の特性に合わせた活用方法があります。
全国各地で実用化されているグリスロは、実証実験のときは“お試し”であり、データ収集が目的であることから“一時的に料金は無料”とするのが一般的です。
しかし、正式に運行するとなれば当然、事業として成立させなければなりません。地域の社会情勢や運営事業者の考え方によって多少の違いがありますが、1回の利用で数百円単位の料金がかかります。
通常は、地元の自治体が車両を購入またはリースして、運行については自治体として予算を組んでからタクシーやバスなどの交通事業者に運行業務を委託する、有償旅客運送の形をとることが多いです。
その一方で松戸市が運行するグリスロの場合、導入の目的が少し異なります。
松戸市では、高齢者の社会参加の促進や地域社会でのコミュニケーションの促進に対して、地域住民が自らの考えと行動によって課題解決をする活動をおこない、自治体がサポートする態勢をとっています。
そうした活動を続けるなかで、結果的に松戸市の社会保障費が抑制できれば良いという考え方のもと、松戸市の福祉長寿部が中心となって市に対してグリスロの予算を計上し、無料運行を実現させているのです。
“地域住民が自ら”ということなので、ドライバーは地域住民のボランディア活動としています。
ドライバーになるためには、座学と実走行による松戸市独自の講習会を受講し、市独自のライセンスを取得する必要があります。
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松戸市は丘陵地帯であるため、高低差が大きく坂道が多いのが特徴です。自宅から半径1kmちょっとの距離にあるスーパー、病院、駅などに行くにも、とくに高齢者は大変な場合が少なくありません。
こうした生活環境のなかで、松戸市では河原塚地域(4町会)と小金原地区(18町会)を皮切りに、グリスロの輪を広げていこうとしているのです。
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