オービスは「何キロ」で光る? 光は赤だけじゃない!? さまざまな”噂”の真相を専門家に聞いてみた!
クルマを運転していると気になるのが速度超過を自動的に取り締まる「オービス」の存在。今回「オービスガイド」を手掛ける大須賀克己氏に、オービスにまつわる「噂」についてその真偽を聞いてみました。
オービスに関する“噂”真偽の程はいかに?
高速道路や一般道のバイパスなどを走っていると気になるのが、速度超過を自動的に取り締まる装置、通称「オービス」の存在です。
このオービスには、「オービスの光は必ず赤い」や「制限速度の一般道では制限速度+30km/h、高速道では+40km/hで反応する」などさまざまな噂があります。
このような噂の真偽について、オービスに詳しい大須賀克己氏に聞いてみました。
大須賀克己氏は、オービス(速度違反自動取締装置)の運用情報共有サービス「オービスガイド」の運営やアプリ開発を10年以上手掛け、リアルタイムに投稿される多くの情報から取締りの傾向を探っています。
大須賀氏は、これまで日本全国の道を実際に数十万km走り回ってきたドライバーでもありますが、無事故・無違反でゴールド運転免許を3連続更新中。
そんな大須賀氏に、数あるオービスについての「噂」からいくつかピックアップし、その真偽について訪ねてみました。
――そもそも「オービス」には、どのような種類があるのでしょうか。
「オービスには大きく分けて『固定式』『半固定式』『移動式』の3種類があります。
固定式オービスは、道路を跨ぐような支柱上や路肩に機器がしっかりと設置されています。一方で、半固定式オービスは、オービス本体を設置するための土台となる拠点のみが数箇所用意されていて、オービス本体は各拠点を移動します。
さらに近年登場した移動式オービスは、ひとりで持ち運びができるサイズで、どこにでも設置できます」
オービスが反応する速度についての噂
――オービスは制限速度+何キロで反応するのでしょうか。「一般道では制限速度+30km/h、高速道では+40km/h」で反応するは本当なのでしょうか。
「固定式オービスと半固定式オービスの場合は本当に『一般道では制限速度+30km/h、高速道では+40km/h』だと思います。
移動式オービスの場合は15キロオーバーで撮影された方にインタビューをしたことがありますし、青キップレベルの違反事例も多くあります。以前、新聞で「神出鬼没の移動オービス、千葉で検挙6・6倍…生活道路に積極投入」という記事を見ましたが、30キロ以下の速度超過違反も多いと思われます」
オービスの“光”についての噂
――オービスに撮影されたときの光って必ず「赤い」のでしょうか?
「固定式オービスは基本的に赤く光ります。ただし大阪府吹田市に設置されているオービス(Ls型)は白色に光ります。
また埼玉県北本市と岐阜県大垣市に設置されているオービス(SSS)は、少し速い車に対しオレンジ色の警告発光を行い、撮影対象の車には白色で発光します。
半固定式は全て白色に光ります。
移動式オービスはLSM-300とLSM-300HKという機種は赤く光りますが、LSM-310とMSSSは白色に光ります。
私もオービスの調査中にMSSSにテスト撮影されたことがありますが、2メートルくらい先でカメラのフラッシュを焚かれた感じです。昼間でも気がつく光量ですが、ほんの一瞬なので運転に支障が出ることはありません。
私の場合は制限速度以下で走っていたのですが、それでもオービスが光った時は一瞬『えっ』となり頭が混乱するような感覚になります。心臓に悪いのでテスト撮影は警察の車両で行なってほしいと思いつつ、貴重な体験ができて少し嬉しくもありました」
――昔は全部赤かった? 移動式は白になった? その理由に心当たりはありますか
「確かに古いタイプのオービスは全て赤色に発光していました。それに対し最近のオービスは白色に発光します。
赤色に発光するオービスは白黒写真が撮影され、白色発光のオービスはカラー写真が撮影されます。白黒写真でも顔や表情が鮮明に写るようですが、さらにこれからはカラー撮影が主流になっていくので『写っているのは私ではありません』などの言い訳は絶対に通用しないでしょう」
オービスに“フイルム切れ”や“稼働時間外”があるという噂
――「フイルム切れ」によって測定できないことはあるのでしょうか、同様に「可動時間外」というのはあるのでしょうか。
「10年前は『フイルム切れ』で撮影されても通知が来なかったなどの話を聞きましたが、現在稼動しているオービスはほぼデジタル化されているのでフィルム切れは無いと思います。
ただし、全国には古くて稼動していないオービスも多くあります。レンズが割れていたり本体が錆付いていたり、傾いているものすらあります。これらは十中八九稼動していないと思われます。
近くで確認すると電力量計が取り外され通電していないオービスもありますし、草が巻き付いてとても撮影できる状態でないものすらあります。それでも多くの車は古いオービス前で速度を落すので抑止効果はあります。
稼動時間については24時間365日稼動しています。ただ稀に『点検中』の看板が掲げられている時がありますが、そのような時は稼動していないと思われます」
最低速度の表示を敢えて行なっている路線は見たことがないですが、60km/hで走れる幹線道路をマイペースでノロノロ運転している人も取締対象にして欲しいところ。その時に限って追い越し禁止/はみ出し禁止という区間が多いです。青切符でも良いですし、免許の更新前に必ず実地試験を受けてもらうなど。
年齢は関係無いですね。後方の様子を見る余裕も無いほどですから運転に向いていないのでしょう。事故を誘発したり本人が事故を起こして本人や相手が不幸になるよりは良いでしょう。