下り坂運転で気をつけたい「フェード現象」一体なに? 活用すべき「エンジンブレーキ」とは
長い下り坂での運転時にフットブレーキを長時間使うと、フェード現象が起きて制動力が落ちるおそれがあります。安全な速度に保つためには、どのような方法があるのでしょうか。
長い下り坂ではどのように走行すべき?
静岡県・小山町でツアー客を乗せた観光バスの横転事故が2022年10月13日に発生し、14日時点で乗員1名が死亡、35人がけがをしていると報じられています。
さらに報道では、事故の要因として「フェード現象」が起きた可能性があると伝えられていますが、このフェード現象とはどのようなものなのでしょうか。また、フェード現象を避けるにはどのような対策があるのでしょうか。
クルマの運転時、減速したいときに使うブレーキの種類として、フットブレーキとエンジンブレーキがあります。
フットブレーキはブレーキペダルを踏んで減速するブレーキを指し、交差点で完全停止するような場面をはじめ、街なかを中心に常用されています。
ブレーキペダルとブレーキランプは連動しており、減速していることを周囲へ伝えられることも特徴です。
一方フットブレーキには、長い下り坂などで多用しすぎたときに、前述のフェード現象が起きるリスクがあるという弱点もあります。
フェード現象とは、長時間フットブレーキを踏んだときの摩擦熱によりブレーキパッドにガス膜が発生。これがローターとの間に入り込むことによって摩擦力が落ち、ブレーキが効きにくくなる現象を指します。
ちなみに、フットブレーキの多用しすぎによりブレーキフルード(ブレーキ液)が沸騰し、このとき生じた気泡により油圧が十分に伝わらず、結果ブレーキの効きが悪くなる「ベーパーロック現象」もあります。
こうしたフットブレーキの弱点を補うのが、前述のエンジンブレーキです。
エンジンブレーキは、エンジンの抵抗を利用して減速させる方法です。アクセルペダルから足を離すと、タイヤの回転力でエンジンを動かしている状態になり減速します。
低いギアになるほど強い減速力が働くのも特徴。近年増加してきたハイブリッド車や電気自動車においても、「D」レンジ以外に減速力を強く働かせる(回生力等)レンジが用意されています。
また、AT車やCVT車で「MTモード」が設定されていれば、ハンドルの奥にあるパドルシフトやシフトレバーのMTゲートで操作して任意でギアを選択可能。1段低いギアに落とすことでエンジンブレーキを利かせることができます。
一方、エンジンブレーキは基本的にブレーキランプが点灯しないというフットブレーキとの違いもあります。
なお、大型車の場合はエアブレーキや排気ブレーキといった別の機構が搭載される場合もあります。
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時折、道端にあらかじめエンジンブレーキ使用を推奨する看板をみかけることもあります。そうした場面や、長い下り坂が予見されるような道では、エンジンブレーキを適宜使うことが重要です。
ATやCVTじゃMTほどの効果は無いでしょうに。かといってスカイラインと名のつく道路の下りじゃMTのエンジンブレーキもさほど効果的ではないんですけどね。煩いしエンジン壊れるんじゃないかと心配になるほどの高回転になる。追い付かない分をフットブレーキで制動すると降りきった時に基盤を焼いたような臭いがするし。強制的にエンジンブレーキ相当の負荷を掛けられる機構が欲しいところ。
登って下りるだけの峠程度なら、下りでエアコンを最大(コンプレッサー作動)にすると制動力が増すってくらいしか手はないんですよね。更にライト付けたり電装品をONにしまくって発電ブレーキも併用するとか?
先日のバス事故、速度超過とずーっと足ブレーキ過ぎて、フェード。大型Ⅱ種免許取得した初心者が、あんな急な峠を運転させる会社もおかしい。エンジンブレーキやエキゾーストブレーキが8割、残りが足ブレーキが、大型車輛が峠を通る常識。速度超過でエンジン・エキゾーストブレーキすると乗り心地悪くなるから、プロは速度超過しないよう運転が鉄則。
ダイハツ ムーヴキャンバスの取扱説明書より一部引用
運転 – 運転のしかた- CVT車の運転 – シフトレバーの動かし方
D – 通常走行
S – 坂道走行
B – 急な下り坂走行
急な下り坂では、Bレンジの活用を。
不幸な事故が減ってほしいです。
ブレーキパッドの寿命も伸びますよ。