なぜ最近「MT車」増えている? シェア1%も各社が続々「スポーツカー」用意! MT復権あるのか
近年、販売される新車ではそのほとんどがAT車を選んでいます。その一方で走りを楽しむMT車を設定するスポーツカーも続々とラインナップされていますが、その背景にはどのような要因があるのでしょうか。
にわかに盛り上がるMT車、今後復権の可能性はある?
新車販売のうちの1%程度となっているマニュアルトランスミッション車(MT車)ですが、2022年にはトヨタ「GRスープラ」や日産「フェアレディZ」、「シビック TYPE R」など、MTを設定しているスポーツカーが多く登場しています。
これは、MT車の復権を意味しているのでしょうか。
MT車が絶滅の危機に瀕しているといわれて久しい昨今ですが、近年ではは国産自動車メーカー各社からMT車がいくつか発売されるなど、にわかにMT車復権の様相を呈しています。
代表的なところでは、2021年にトヨタ「GR86」、スバル「BRZ」、2022年に「GRスープラ」「GRカローラ」や日産「フェアレディZ」、ホンダ「シビックタイプR」が挙げられます
以前からMT仕様を設定している、トヨタ「ヤリス/GRヤリス」、ダイハツ「コペン」、スズキ「スイフトスポーツ」、マツダ「ロードスター」や「CX-5」、ホンダ「N-ONE」なども含めると「絶滅危惧種」といわれているわりには、それなりに選択肢があるようにも思われます。
また、モデルにもよりますが、例えばロードスターの購入するユーザーの80%以上がMT車を選択しているといい、MT車の人気は依然として根強いことがわかります。
かつては、オートマチックトランスミッション車(AT車/CVT車)に比べて割安であったり、実燃費で有利であったりするなどのメリットもありましたが、現在ではそうした理由でMT車を選ぶ人は皆無です。
そのため、現在MT車を選ぶ人のほとんどが「クルマをあやつる喜び」を得ることを目的としています。
実際、一部の商用車をのぞいて、MT車を設定しているほとんどのモデルがスポーツカーもしくはスポーティな走りをアピールしています。
ただ、そこには「MT車が今後新たに発売されることはないかもしれない」というユーザー心理が働いていると考えられ「ロウソクの最後の輝き」だと表現する人もいます。
実際、電動化がさらに進むと考えられるなかで、今後MT車が復権するとは考えにくいというのが実際のところです。