「うらやましい!」トヨタの最新ミニバンに「嫉妬」!? 他メーカーの販売店「家族層が逃げる」と嘆く現状とは
3列シート「SUV」をラインナップする「マツダ」の場合は
続いてはマツダの事情について考察します。
マツダでは現行モデルとして、3列シートを備えるSUVである「CX-8」(6人乗り及び7人乗り)が存在し、ミニバンではないものの、3列シート需要にも対応できるラインナップとなっています。
こちらも首都圏近県にあるマツダ販売店の営業スタッフに話を聞きました。
「ミニバンを検討されているお客さまのなかには、スタイリッシュなスタイルや心地よい走りに魅力を感じ、CX-8を買われる方も少なくありません。
そういったお客さまは『3列シートがあればスライドドアじゃなくても問題ないね』とおっしゃっていただけます」
このように、ミニバンと価格帯の近いCX-8は、十分対等に渡り合えていると誇らしげに語ってくれました。
しかし一方で次のようにも話します。
「ただこれはミニバンと比較検討されているお客さまの話であって、すでにミニバンに乗られているお客さまは、やはりスライドドアの利便性の高さや広い頭上高に魅力を感じされています。
そのため(マツダに従来ラインナップされていたミニバン)「ビアンテ」や「MPV」といった3列シートミニバンから、CX-8への乗り換えはそこまで多くないんです。
そうなるとやっぱりラインナップのひとつとして、スライドドア付きの3列シートミニバンは欲しいところですね。
もともとウチではトヨタさんのハイブリッド車も扱っていますし(商用バン「プロボックス」OEMの「ファミリアバン」)、ノウハウはスズキさんよりもあるんじゃないですかね。
ただ(箱型デザインの)新型ノアだと、最近のマツダのスタイリッシュな『魂動(こどう)デザイン』のテイストとは大きく変わってきてしまいますけど……」
両ディーラーとも自社のテイストと違う点は気になるといいつつも、やはりラインアップの層は厚いに越したことはない、というのが共通の意見となっていました。
確かにメーカー側の思惑はあれど、販売の現場は「クルマを売らなければいけない」という大前提があるため、ある程度安定した需要があるカテゴリーのモデルは用意しておいて欲しい! というのが本音のようです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
3列シートだから売れるのか。トヨタだから売れるのか。みんな買ってるから売れるのか。それとも売れる車を作れないデザイナーやメーカーが悪いのか。
前にもここでコメントしたけど、軽貨物以外はパッと見で車のメーカーと車種とグレードを見分けできない自分です。どれも同じに見えて、どこが差別化されているのか分からないと。他社の売れ筋に見た目を無理やり似せているのかと思われるほどです。もっと見た目の多様性があればとは思うんですけど。
世の中には「周りと合わせたい人」と「周りとは差別を図りたい人」が居るので、選択肢として売れ筋とは明らかに見た目(特に外観の形状)があれば「目立ちたがり屋」には売れるのではないかと。
自動車の開発には1車種当たり数億から数十億円かかります。仰るように「周りと合わせたい人」と「差別を図りたい人」がいるのも事実ですが、大多数は前者です。
ニッチな後者向けな車を多額な開発費をかけて売り出して、売れなかったらメーカーとしてやっていけません。
さらに、あるメーカーが後者向けの車を出してヒットしたとしても、他のメーカーがそこに目をつけて同じようなテイストの車を出してくるので、結局最終的には「周りと合わせたい人」向けの車しか残らないのが今の日本の車市場です。