北海道「カート事故」に衝撃! 問題は主催者から抜け落ちていた「ワーストシナリオ」への備えだった
主催者側が第一に考えるべきだった「万が一」への対策には大きな問題があった
そのほか、報道やSNSでのコメントなどでは「観客の前の防護用具がカラーコーンやポールだけで良いのか」、または「コースレイアウトにおける安全性に対する疑問がある」という指摘があります。
各種報道によりますと、参加者は1周200mで、直線路の先に乗り換える場所であるピットエリアに戻ってくるコースレイアウトでした。
直線路の先に観客がいましたが、ピットエリアとの間にはカラーコーンやポールのみが設置されており、コースサイドにあるような防護用具は置かれていなかったようです。
ここでいえることは、ワーストシナリオという“万が一の状況”に対する、イベント運営者の認識の甘さではないでしょうか。
常設サーキットであれば、走行速度が最も高い直線路の延長上に、段差や防護用具がない状態で観客が立ち入る場所を設けることはありません。
一般的に、主要な観客席は直線路と並行した場所に設置されるものです。
これが、今回のような仮設施設の場合、限られたスペースでコースを設定し、そのほかの併設イベントとの人の導線を考慮し、そして参加者の人数が多ければレーシングカートの効率的な乗り換えを考慮する必要があります。
その結果として、今回のようなコースと観客がいる場所のレイアウトになったと考えられます。
こうしたコースレイアウトなど、イベントの運営における安全性の確保について、法的な規制や規定、または何らかのガイドラインのようなものはあるのでしょうか?
一般的には、私有地での各種イベントについては、警察や地元自治体などに事前に開催許可を得る必要は基本的にはないとされています。
そこで、長年にわたり自動車関連の仮設イベントをおこなう関係者らから話を聞いてみたところ、実際の運営でもそうした一般論で語られているのと同じような対応をしており、ガイドラインようなものはないとのことです。
また、万が一の場合、当然ですが、主催者はイベント保険に加入するのが一般的とも指摘します。
今回の事故を教訓として、これからは一定以上の速度が出せるカートでの走行を伴う私有地でのイベントについては、国が全国一律のガイドラインを設けるべきではないでしょうか。
ただし、これらのカートは、道路運送車両法の適用外なほか、また私有地では乗用車などでも道路交通法の適用が難しくなります。
そこで、例えば消費者庁がイベント運用のためのガイドラインを作り、それに基づく運用が実際にできているかどうかを地元の自治体がチェックする、またはイベント主催者が自治体に報告するといった形が考えられるのではないでしょうか。
今回のような悲しい事故を二度と起こさないために、国が主導する総括的な仕組みづくりが求められます。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
>体験試乗会で悲しい事故を起こってしまいました。
そもそも日本語がおかしいこの記者は報道には相応しくない。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。
この手の間違いの多くは推敲したときの直し忘れで、日本語が云々の話ではないですよ。
「11歳の子どもが、簡単な講習だけで時速40kmで走行することに無理がある」は間違っていないのでは?
レーシングカートで専用コースを走るレーサー志望の子供だって実地講習をみっちり受けてから走るんだし。
「カートで本格モータスポーツ体験」販促イベントは安全確保のハードルが高い企画なのに、
あんなコースと説明で11歳の少女に1人でカートを運転させれば高確率で事故は起きる。
しかも主催者は「車は楽しく便利だが、凶器にもなる」ことを熟知している自動車のプロ。
ガイドライン以前の問題。
発生直後のニュースで函館トヨタディーラー4社が責任逃れしようとしていて、加害者家族から被害者家族に賠償するみたいな説明が報道されて、それ違うでしょ?と思った。それに各報道機関も一部を除いてトヨタの名前を出そうとせず、主催者と報道していた件も日本のトヨタというブランド名による報道圧力があるんだという印象を得てました。ますますトヨタが嫌いになる事件でしたね。