なぜ「金属ギザギザ」高速道路に存在? 道路の繋ぎ目、雨天時はヒヤッと! 最近では「ノージョイント化」進む理由
最近では「ノージョイント化」も! そのワケは?
そんなジョイントですが、ときには騒音や振動の原因にもなっており、高速道路を管理するNEXCO各社や首都高、阪神高速では、その数を減らす「ノージョイント化」への取り組みがおこなわれています。
首都高の広報担当者は、ノージョイント化の意義について次のように話します。
「ジョイントを減らすことにより、段差のないスムーズな走行を実現し、騒音や振動を少なくする効果が期待できます。
ジョイントをなくすことで、ジョイント部分の補修(装置の取替えなど)をおこなう必要もなくなるので、補修工事にともなう渋滞を減らすこともできます。
また、高速道路上のジョイント部からの漏水も抑制できるため、橋桁の下の金属部分の腐食低減にも効果が期待されます」
このように、ノージョイント化は、バウンドのないスムーズな走行や渋滞の軽減など、ドライバーにとってのメリットが大きいうえに、高速道路自体の腐食も抑えることができ、高速道路を管理する各社にとっても有意義な取り組みといえます。
首都高の担当者によると、2022年9月現在までに首都高では約600箇所のジョイントが撤去されているそうです。
また、阪神高速も同様にノージョイント化を進めており、2018年には10日間の工事期間を設けて数十か所のジョイントを撤去するなど、規模の大きな作業もおこないました。
また、NEXCO中日本ではジョイントを撤去するだけでなく、隙間が小さいジョイントに変更したり、ジョイントを埋没式のものにするなどの対策を続けています。
前出の首都高担当者は、「ノージョイント化については、ほかの補修工事との優先順位を踏まえて今後も対応していきます」としており、今後もジョイントを減らしていく方針であると話します。
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ただ、橋桁が伸縮するという特性を考えると、完全にジョイントをなくすこともできないのが実情です。
そのため、現在ではジョイント自体も進化を続けており、なるべく騒音に繋がらないような設計がとられたり、劣化しにくい素材での開発もおこなわれていたりと対策が進められています。
ジョイントは形を変えつつ、これからも安全かつ円滑な走行に貢献していくものになりそうです。
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