人気のスライドドア軽ハイトワゴンが「SUV」に変身!? 新ジャンル「タント ファンクロス」と「スペーシア ギア」を比較
ダイハツが2022年秋に実施する「タント」マイナーチェンジの目玉として、SUVテイストを加えた新型「タント ファンクロス」を追加します。先行公開された情報をもとに、ライバルとなるスズキ「スペーシア ギア」と比較します。
ダイハツも新規参入! SUVテイストの「軽スーパーハイトワゴン」に注目
ダイハツは2022年8月、今秋に発売を予定する軽スーパーハイトワゴン「タント」のマイナーチェンジモデルを先行発表しました。デザイン改良に加え、新ラインナップ「タント ファンクロス」追加が大きなニュースとして挙げられます。
タント ファンクロスは、いま流行りのクロスオーバーSUVテイストを内外装に与えたもので、ライバルのスズキが「スペーシア ギア」で先行した新しいジャンルのモデルといえます。
軽市場で常に激しい戦いを繰り広げるダイハツとスズキのあらたなライバル車 2モデルを比較してみましょう。
2003年に初代モデルがデビューしたタントは、現在軽自動車人気の中心である「軽スーパーハイトワゴン」ジャンルを開拓したパイオニア的存在です。
車高を上げることで室内空間を拡大し、軽の限られた規格サイズのなかでもファミリー層が求める快適な広さを創出させたのは、当時としては革新的なことでした。
2007年登場の2代目からは、車体左側面にセンターピラーレスで大開口部を持つスライドドアも備え、使い勝手をさらに向上しています。
そのコンセプトは2019年デビューの現行型(4代目)にも継承され現在に至りますが、その間にスズキをはじめホンダや日産など各社からも同様の対抗モデルが参入し、シェアを争っています。
そんななか、スズキの軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」に、同社が「ジムニー」や「ハスラー」などで得意とするクロスオーバーSUVテイストを加え、他社との差別化を図ったのが、2018年12月に登場したスペーシア ギアです。
ジムニーを想わせる丸型のヘッドライトや、ガンメタリック塗装のグリルや前後専用バンパー、サイドガーニッシュ、そしてルーフレールなどが加えられ、タフでアクティブなスタイルとなりました。
その効果は絶大で、スペーシア ギアはスペーシアシリーズ全体の4割ほどを占めることもあるといい、販売台数底上げにも大いに貢献しています。
一般社団法人 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)によると、2021年度(2021年4月から2022年3月)までにスペーシアは10万3605台を販売し、軽乗用車で2位のポジションにつけています。
対するタントは、同期間に10万1112台を売り3位です。
現行型がデビューした2019年度こそ2位にポジションアップしたものの、2020年度、2021年度と共にスペーシアに2位を譲る苦しい戦いを強いられてきました。
そんななか、ダイハツはタントのマイナーチェンジに際し、スズキが拡大を続けるSUV系軽スーパーハイトワゴンの新ジャンルに目を付け、新型タント ファンクロスを誕生させたという訳です。
丸いヘッドライトこそ採用しなかったものの、ブラックを配した前後バンパーやサイドガーニッシュ、ルーフレールなど、スペーシア ギア同様のSUVテイストを与えています。
内装も同様に、迷彩柄風のシート表皮や、オレンジをアクセントカラーに取り入れた内装トリムやインパネで、アクティブなイメージを統一しました。
そして、濡れた荷物も気にせず積載できる後席の防水加工シートバックや、荷室の使い勝手を向上させる上下2段調整式デッキボードなど、実用面でも進化を遂げています。
価格や詳細なスペックについてはまだ明らかにされていませんが、660ccの自然吸気エンジンとターボエンジンの2タイプから選択可能なことが先行公開された公式サイト上にも掲載されています。
また新型タント ファンクロスとのマッチングが良いナチュラルなアースカラーを中心としたモノトーン8パターン、2トーンカラー5パターンの全13色の豊富なカラーバリエーションも公開され、かなり力の入ったモデルであることがわかります。
キャンプなどのアウトドアレジャーが盛り上がりを見せるなか、アクティブなテイストで差別化を図った新型タント ファンクロスがユーザーの支持を集めることになるのか、今秋発売後の販売動向にも注目が集まるところです。
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