ホンダが新型SUV「XR-V」発売! 2代目に全面刷新で若年層狙う! ヴェゼルと異なる中国仕様とは

日本とは異なる!? 中国独自のヴェゼル事情とは

 ヴェゼルとXR-Vの2代目モデルが中国で発表される前より、既に2代目ヴェゼルがベースの電気自動車を東風ホンダから「e:NS1」、広汽ホンダから「e:NP1」として販売を開始していました。

 この2モデルもヴェゼルとは異なるデザインを与えられていることに注目が集まっており、インテリアは独自の10.25インチのディスプレイが縦方向に設置されてこちらでオーディオやナビ、エアコンの操作がおこなえる仕様となっています。

 バッテリー容量は53.6 kWhと68.8 kWhの2種類を用意、それぞれの航続距離は中国独自の「CLTC方式」で420 kmと510 kmです。

 このことからわかるようにヴェゼルは汎用性が高い設計となっており、まさにホンダが展開する世界戦略の一端を担っていることがわかります。

東風ホンダが展開する電気自動車「e:NS1」は2022年4月26日に発売されている
東風ホンダが展開する電気自動車「e:NS1」は2022年4月26日に発売されている

 搭載するパワートレインにも特徴があります。

 ベースとなるヴェゼルは日本で、ガソリンモデルに加え、「e:HEV」のハイブリッドモデルを展開。

 それに対し、この新型XR-Vでは東風ホンダが製造するL15C型1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するガソリンモデルのみです。

 ハイブリッドモデルは設定せず、環境にやさしいモデルは先述の電気自動車「e:NS1」に任せておくことで、両者の立ち位置を明確にしています。

※ ※ ※

 2022年8月28日に発表された新型XR-Vの価格は13万2900元(邦貨換算:約266万4000円)と、先代より5万元(約10万円)ほど高い設定になりました。

 一方で、純電動モデルのe:NS1は17万5000元(約350万3000円)からとなるので、新型XR-Vは日本円にして100万円ほど安くなります。

 ホンダはXR-Vとヴェゼル以外にも、新型CR-Vとその姉妹車のブリーズ、そしてその中間を担う11代目シビックベースのHR-VとZR-Vなど、多数のSUVを年内までに中国で発売予定。

 日本市場とは需要が異なる中国市場において、ホンダは多種多様な選択肢を用意して競争力を増していく狙いです。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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