新型3列SUV「EQB」の後席は使える? 乗って分かった「実用性」 異なる駆動方式も解説
2WDと4WD異なる駆動方式は何が違うのか?
ところでEQBにはもうひとつ、同社の日本向けのEVとしてはじめての試みがあります。それは2種類の駆動方式を用意していることです。
「EQB 250」の駆動方式がFFなのに対し、「EQB 350 4MATIC」の駆動方式は4WD。
バッテリーは同じタイプ(66.5kWh)を搭載しますが、FFモデルの最高出力は190ps、4WDは292psと出力に大きな差がつけられています。
当然、走りのフィーリングも大きく異なり、FFモデルはスーッと車速が伸びるように加速するのに対し、4WDモデルは背中からグイグイ押されるような強引な加速を実現。
ただし、加速力としてはFFモデルでも十分で不満はなく、4WDモデルはEVらしさをアピールする過剰な性能といっていいかもしれません。
高性能エンジンを積んだエボリューション的なモデルのようなポジションだと感じました。
繰り返しますが、一般的にはFFモデルで十分な動力性能といえます。
ちなみに前後ツインモーターとなる4WDの駆動配分はFFベースかと思いきや、通常の加速はリアモーターと後輪が担い、アクセルを踏み込んでハイパワーが必要になる状況だけフロントモーターと前輪も駆動する制御。
これはFFモデルと4WDではフロントモーター自体が異なること(FFモデルフロントと4WDのリアには高効率な永久磁石同期モーターを搭載し、4WDモデルのフロントモーターはEQAと同じタイプを搭載)が関係しているようです。
4WDはリアにより高効率のモーターを使いって日常時にはそれを活用しています。
これにより、必要な状況だけフロントの高出力モーターを動かす制御とすることで66.5kWhと昨今のEVとしてはそれほど大きくないバッテリーながら292psの高出力と468kmと十分な航続距離を両立しているようです(FFモデルは同じバッテリーを使い航続距離は520km)。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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