珍しい「有料道路の定期券」なぜ存在? 六甲の夜景スポットや「関西の奥座敷」を結ぶルートの横顔

定期券が設定されている理由は?

 全線(芦屋~宝殿~有馬)の普通車の通行料金は、片道950円、往復1400円です。

 回数券は、10回分の金額で買える12回券と、普通車のみ5回分の金額で買える6回券の2種類が用意されています。普通車の全線12回券は9500円、全線6回券は4750円です。

 料金の区間は、全線のほか、途中の宝殿発着も設定されています。また、奥池や展望台などで引き返して同じゲートを出入りする場合は、区間利用の料金となります。例えば普通車の場合、芦屋から宝殿までは片道420円、芦屋から入り芦屋から出る場合も420円です。

芦屋市内にある奥池(画像:写真AC)
芦屋市内にある奥池(画像:写真AC)

 定期券は、正確には「通行定期券」と呼ばれ、期間は1・3・6か月の3種類を設定。全線・普通車の場合、1か月は9200円、3か月は2万7400円、6か月は5万4700円です。

 芦有ドライブウェイの全線を半年間使い続ける場合、月12回(概ね週3回)以上だと6か月定期券が得という計算になります(片道を1回として計算)。

 しかしこのような有料のドライブコースを頻繁に利用する需要はあるのでしょうか。定期券を設定している理由について、芦有ドライブウェイの担当者は次のように説明します。

「定期券は、奥池地区にお住まいの方で利用している方がいらっしゃいます」

 芦屋市の奥池地区は、芦有ドライブウェイの芦屋~宝殿間、六甲山の中腹に広がる高級住宅地です。芦有ドライブウェイの開通とともに開発が始まった地区であり、クルマでここへ行くには芦有ドライブウェイを必ず通る必要があります。路線バスも走っていますが、マイカーだと通行料金を払うことになるのです。

 定期券は、「タクシーなどの営業用車両(緑ナンバー・黒ナンバー)はお断りしている」といいますが、それ以外の、通勤や日常の買い物などで頻繁に利用する人は誰でも購入できます。

 そして券は、人ではなく車番に対して発行されます。料金所の有人レーンで、係員が紙の定期券と車番を確認しているということです(ICカード定期券の導入計画も進行中)。

【画像】芦有ドライブウェイの位置を地図で確認する(7枚)

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